「晩秋」と「晩秋の候」の使い分け!それぞれ時期はいつ?
2016/10/05
秋も深まると「晩秋」という言葉が聞かれ始めます。
冷たい北風が吹いて紅葉も始まるとそろそろ秋も終わりの気配。
時候の挨拶で「晩秋の候」を使いたいところですが、時期は合っているのでしょうか。
実は一般に「晩秋」と呼ばれる時期と「晩秋の候」の時期はかなりずれています。
・・・ここでは「晩秋」と「晩秋の候」の時期について、それぞれいつからいつまでなのかご紹介します。
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「晩秋」はいつからいつまで
日常会話では日常の会話では11月から12月初めについて使われています。12月初めになると初冬という言葉を使う人も多くなります。
報道では
定義はありませんが11月中は晩秋、12月に入ると初冬が使われるようです。
気象庁の区分では
9~11月が秋、12月から冬になります。9月を初秋、11月を晩秋と考えることができそうです。
晩秋の時期
11月後半~12月初め
*12月初めは初冬も使われる
「晩秋の候」はいつからいつまで
時候の挨拶は二十四節気(暦)に従います。また季語として「晩秋の候」を使うこともできるので季語の区分に従っても構いません。
二十四節気では
寒露~立冬の前日まで
*2016年は10月8日~11月6日
季語では
太陽暦10月、旧暦9月
*2016年旧暦9月は10月1日~10月30日
*二十四節気(にじゅうしせっき):秋分、冬至など暦の上での季節の区分。一年を太陽の高さで24に分けたもの。
*旧暦は、年によって1ヶ月位時期がずれます。同じ月が2回あることもあります(閏月)。また、毎年旧暦の暦を確認する必要があり、あまり実際的ではありません。
「晩秋の候」時期のまとめ
二十四節気の区分と季語としての区分をまとめると晩秋の候は
10月~11月上旬

「晩秋の候」は使いにくい?
手紙や文書の挨拶文では、10月から11月上旬までが「晩秋の候」。11月上旬はともかく、10月が晩秋というのは一般の感覚よりずっと早いですね。
・・気温も10月中はまだ夏日さえあります。
・・10月中ごろにやっと秋雨が終わり、秋晴れの日も出てくる頃。

挨拶状を受け取る側も「うん?晩秋の候?ああ、そうか」といったんそこで立ち止まってしまうかもしれません。
速やかに本文に読み進んでもらいたいビジネス文書にはあまり向かないかも。
ほかの挨拶を使おう
正式な10月~11月上旬に晩秋は今ひとつ。また一般に晩秋と考えられている11月中旬から12月初めは「晩秋の候」は適当ではありません。そこでほかの挨拶を使いましょう。
1)10月~11月上旬なら
爽やかな秋という意味の「爽秋の候」や「秋涼の候」を使ったほうが読み手にも共感してもらえそうです。
10月後半、木枯らしが吹き始めたら「秋冷の候」もいいですね。

2)11月中旬から11月終わりなら
・「向寒(こうかん)の候」日に日に寒くなるころ
・「霜秋(そうしゅう)候」秋が深まって霜が降りるころ
3)12月に入ったら
・「初冬の候」冬が訪れたころ
・「霜寒(そうかん)の候」霜が降りて寒いころ
「晩秋」と「晩秋の候」の使い分け
時候の挨拶としての「晩秋の候」は11月上旬まで。でも、ただ「晩秋」だけなら、
・「はや晩秋、◯◯さまにはいかがお過ごしでしょうか」
・「すっかり晩秋だね、風邪引かないように気をつけてね」
と日常会話的に、手紙でメールで11月いっぱい使うことができますよ。

テレビのニュースでもこの時期によく耳にします。
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初冬と時期が重なる?
11月7日頃に暦の上では立冬を迎えます。でも手紙やビジネスでの挨拶文以外ではこの時期に「初冬」という言葉は使われませんね。
一般には11月終わりから12月に入ると初冬という言葉がよく聞かれるようになります。
✔気温も冬に
11月末、名古屋は初霜、大阪も12月初めに初霜が観察されます。*東京は12月中旬~下旬。

霜が降りるころ、最低気温は5℃以下。朝の気温が5℃ならもう冬ですね。
11月終わりから12月に入ったら初冬もふさわしいようです。
この時期は晩秋も初冬もOK。
*暦にこだわらず、気象庁の秋に従って、秋の最後の月11月を晩秋、冬の最初の月12月を初冬といえたら簡単でいいのですが^^

終わりに
「晩秋」と「晩秋の候」は使われる時期が違います。
「晩秋の候」は時候の挨拶なので慣習に従って10月8日頃から11月6日ころまでに使うのが正式。
でも多くの人にとって晩秋は11月から12月初め。
手紙や会話、メールで「晩秋」を使いましょう!
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