奈良、東大寺のお水取り。
暗い回廊を駆ける「お松明」。真夜中の「お水取り」。
どちらも奈良の春の大人気の行事ですが、混雑はどうなんでしょう。
ここでは、東大寺のお水取りについて
◆日程・スケジュール
◆「お松明」と「お水取り」の時間と混雑
◆修二会・お松明・お水取りの由来
◆基本情報・アクセス
についてご紹介します。
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修二会の日程・スケジュール
修二会日程
3月1日(水)
~14日(火)
お松明
毎日19時~
*12日(日)19時半~
*14日(火)は18時半~
お水取り
3月13日午前1時~
お松明・お水取り、時間と混雑
一般にいう「お水取り」は12日の「籠松明」を指すことが多いようです。実際の「お水取り」は13日未明の水をくむ行事をさします。1)お松明の時間
お松明
1日~11日、13日は19時~
12日(日)19時半~
14日(火)18時半~
3月1日から毎日10本の松明で行われる「お松明」。1日~11日、13日は19時~
12日(日)19時半~
14日(火)18時半~
・お水取り12日は「お水取り」の前。この日には、松明が11本になりサイズも他の日より大きいため特に参拝者が多くなります。
・松明が10個横並びするのは14日。行の最終日です。
*「お松明」は雨でも行われます。
-お松明は毎日
修二会の期間中毎日、10本40kg長さ7mの松明が回廊を走ります。夜の松明。12日の籠松明に比べ遜色はありません。-籠松明:12日
13日未明の「お水取り」に先んじて行われる12日の籠松明(かごたいまつ)。重さ70kg、直径70cm、竿の長さ8mと他の日よりずっと大きくなります。
籠松明
3月12日19時30分~
*所要時間:11本が全部通るのには1時間ほどかかります
✔「籠松明」ってどんなもの?
ふつうの日の松明は竹を軸にして松葉をからめたもの。
籠松明は薄い松の板を籠のように編んで、松葉をたくさんからめることができるようにしたものです。
2)お松明を見る場所
見る場所は二つあります。二月堂前の広場
3~4千人が立ち見できます。
第二拝観席
200mほど離れています。席とはいえ立ち見です。遠いです。でも遠くを走る炎は幻想的。
3)混雑の具合
平日
夕方6時頃までに行けば大丈夫のようです。土日
土日には混雑するので4日(土)・5日(日)・11日(土)には夕方5時半までには行って待ちましょう。*途中でトイレに行くと元の席には戻れません。先にすませておきましょう。
12日(お水取りの前)
12日は大混雑。2~3万人の来場が見込まれ、単純に計算すると2万6千人ほどは広場には入れないことになります。✔二月堂下の広場に入るには
鐘楼から誘導路ができますが、毎年18時頃には誘導路まで満員になります。大鐘より手前に並んでも入場はできません。

*整理券が配られることもあります。
また早く行っていい場所を取っても警察の指導で動かされることもあります。
さらに、誘導路で並んでいても入場できない人達などにもチャンスを与えるため、籠松明が終わらない内に第二拝観席へ誘導されることもあります。
早くから並んでもいろいろ不利なこともありうる12日です。
4)混雑を避けるには
12日(お水取りの日)
12日なら5時位までには誘導路に並んでおきましょう。混雑は避けられませんが確実に見れるように。おすすめ:平日
籠松明は大きいですが、他の日の松明も遜色のない見ごたえ。6時ころまでに行って間近で火の粉を浴びながらゆっくり鑑賞なさいませんか。5)お水とり
お水取り
3月13日午前1時~
深夜の行事ですが1度しか無い行事なのでやはり混み合います。3月13日午前1時~
二月堂から若狭井まで通路のそばに並んで見学します。
*お水取りで汲まれた水「お香水」は3月18日以降に二月堂受納所で一般に授与されます。
修二会・お松明・お水取りとは
1)修二会の由来
修二会は「しゅにえ」と読みます。昔は2月に行われる修行だったのでこう呼ばれていました。752年平安時代に始まり、大火事で伽藍が焼け落ちても休むことなく続けられた不退の行法。2017年は1266回目にあたります。
修二会は十一面悔過法(じゅういちめんけかほう)と言われる「行」です。
修二会とは
練行衆(れんぎょうしゅう)と呼ばれる行者のみなさんが、精進潔斎して過去の罪障を懺悔。
その功徳によって仏法の興隆、天下の泰安、万民の豊楽、五穀豊穣などを祈るもの。
自らの修行で私たち一般衆生をも救うんですね。
練行衆の僧侶は、初めての行なら2月15日から、経験者なら2月20日から、暖房も火鉢もない戒壇院の庫裡(くり)で1日1食の生活をします。食事の後は水もとりません!
有り難い気がします。
この行の内、「お松明」と「お水取り」が有名ですが、お水取りそのものは13日の午前1時に行われるもの。一般に「お水取り」という時は、12日の「お松明」をさして言うことも多いようです。
2)お松明とは
お松明は、練行衆が夜の行を始めるとき、暗い階段や廊下を照らすための灯でした。もともとは小さい実用的な松明だったのですが、江戸時代から大きくなって童子と呼ばれる練行衆の行の手伝いをする僧たちの見せ場となりました。
1本のお松明が通る後を一人の練行衆が道内に入っていく形です。
お松明の火は浴びると1年間無病息災に過ごせ幸せになるといいます。燃えカスを護符として大切に持ち帰る方もいます。
3)お水とりの由来
魚をとっていて神々の集まりに遅れた若狭の神さま。おわびに二月堂の本尊に水を献上しました。この水が若狭井という井戸に入っているとされます。この水を汲んで須弥壇の下の香水壺に運ぶのが「お水取り」。
3月13日午前1時過ぎ、雅楽の演奏の中白い装束の練行衆がおけで水(お香水)を運びます。
*若狭の若狭神宮寺では、毎年3月2日に二月堂の若狭井に水を送る行事が行われています。
18日以降、お香水は二月堂受納所で無料で配られます。
✔「お水とり」の椿菓子
2月23日は「花ごしらえ」の日。練行衆は、紙で椿の造花を作ります。この椿の花は3月1日から14日までの行の間中、本尊の十一面観音の祭壇に飾られます。
この椿にちなんだ「お水取りの椿菓子」が和菓子屋さんで売られています。
甘いきれいな練りきり。
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基本情報・アクセス
■東大寺基本情報■
【住所】奈良市雑司町406-1
【地図】こちら
【拝観時間・拝観料】
・境内自由、無料
【大仏殿・法華堂・戒壇堂】
・拝観時間 8時~17時*3月
・拝観料 大人500円
【問合せ】0742-22-5511寺務所
【公式サイト】華厳宗大本山東大寺
終わりに
東大寺の修二会は、2月中旬に行が始まって、厳しい節度とたくさんの決まり事があります。
「お松明」もその一環で、行をしていない民にも平安・幸福を分けてくれるもの。
華厳宗のお寺東大寺ですが、密教のような「お松明」に神道のような「お水取り」。興味の尽きないお寺です。
「お水取り」が終わると奈良も春と言われます。
でもまだ夜はとっても寒いです。暖かくしてお出かけください。
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