「花冷えの候」はいつ頃!桜を使った時候の挨拶

「花冷えの候」は桜の花のが咲いている時期にだけ使える挨拶。

いつ使ったら適切か、相手の方が住んでいる地域でも違いがありそうです。

 

ここでは

・花冷えの意味
・どれくらい冷え?
・「花冷えの候」使える時期、文例

そのほかの桜を使った挨拶文などをご紹介します。

1花冷えの候はいつ頃?

1)花冷えの意味

桜の咲く頃に寒さがもどって冷え込むことー広辞苑ー

花冷えの「花」は桜のこと。

 

春には、移動性高気圧と低気圧が1週間ごとに日本列島を通過。

うららかな日になるのは、4月中旬ころから。それまでは、晴れたりくもったり雨になったり、天候不順です。

いつも春のイメージ通りあたたかく穏やか、というわけではありませんね。

の開花から、満開になり葉桜になり始めるまで2週間ほど。

その間には必ず雨が降り、花散らしの風が吹き、冷え込む日があります。

そこで「花(桜)冷え」。

2)どれくらい冷え込むのか?

2020年、東京の花冷えは、3月29日。

花冷えの日前日の気温を比べてみると

3月28日 最高 24.6
3月29日 最高 7.7

最低気温は0.7℃にまで下がり、翌日も最高10.3℃にしか上がりませんでした。

花冷えは、寒いです!

3)季語としての花冷え

「花冷え」は春の季語です。

花冷えの燗(かん)あつうせよ熱うせよ

ー久保田万太郎ー

すごくわかりますね。この気持ち。

4)「花冷え」を使う時期

桜が咲き始め、葉桜になり始める頃まで。東・西日本は平年で3月下旬から4月上旬です。

季節の挨拶なので、実際にその日に寒くなくても大丈夫です。

年によって桜の期間は違いますが、少しぐらい時期がずれても大丈夫。

まだ咲き始めるかどうか、という頃でも、受け取った方は桜の期待感が増して明るい気持ちになってくれるのではないでしょうか。

 

相手の方が遠方なら、住んでいる地域に合わせて使ってもいいですね。

「花冷え」の期間(平年の桜の期間)

九州・四国
:3/25 ~4/7頃
中国・近畿・東海・関東
:3/31~4/13頃
北陸・中部・東北南部
:4/10~4/23頃

*北海道は、4/30頃。梅も桜も、ほぼいっせいに春の花々が咲くので、花冷えの言葉は使わません。

葉桜しかない頃(4月中旬以降)に相手に届くことはないようにしましょう。

✔花冷えの特異日

花冷えには特異日があります。

特異日とは、何故かその日には、雨になったり晴れたりする日。統計的に有意に、花冷えになる日があるんです。

それは、4月6日。

ちょうど「花冷えの候」が使える3月下旬~4月上旬の期間中ですね。

2「花冷えの候」の使い方:挨拶文例

花冷えは寒さを表しますが、これからの春の暖かさへの期待も含んだ言葉です。

桜も咲き春になった、でも、すごく寒い日もありますね。

でもこれからは、うららかな春になって行きますよね。

といったニュアンスなので、受け取った方が、共感しやすい挨拶です。

 

時候の挨拶は、相手に明るい気持ち、共感的な気持ちになって本文に読み進んでもらうためのもの。

「花冷えの候」も、どんどん使っていきましょう。

初めの挨拶:相手を気づかう

ビジネス

シンプルに始めましょう。

個人あて

・花冷えの候、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。

会社、組織あて

・花冷えの候、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。

 

地域やグループへの案内

そのまま「花冷えの候」でもいいですし、少し柔らかい表現を使うのもいいですね。

・花冷えの候、みなさま如何お過ごしでしょうか。

・花冷えの頃となりましたが、○○会のみなさまには、ますますお元気にお過ごしのことと思います。

お世話になった方、少し親しい方など

・花冷えの候、○○さまにはお変わりございませんか。

・花冷えの頃となりました。○○さま、お元気でいらっしゃいますか。

 

締めのことば:相手を気づかう

ビジネス

ビジネスのしめは、凝らずにシンプルに。

個人あて

・時節柄、ご自愛のほどお祈り申し上げます。

会社・組織あて

・末筆ながら貴社の益々のご発展をお祈り申し上げます。

 

地域やグループへの案内

・天候不順の折、会員のみなさまにはご自愛ください。

・まだまだ、寒い日もあるこの時期、みなさまには風邪など召されませんようご自愛下さいませ。

お世話になった方、少し親しい方など

・暖かい春の日が続くまでもうしばらく。どうぞお体にお気をつけ下さいませ。

・桜が散ったら本格的な春。ご家族の皆さまも、どうぞお元気でお過ごしくださいませ。

 

3桜を使ったほかの挨拶文例

ビジネスでは、正しい文でないと、取引にも影響してしまいます。

でも、町内会やグループへのお知らせ、親しい方やお世話になった方への手紙文は、がこもっていれば、少し変でも大丈夫。

相手を気遣って、もらった方も嬉しくなるような挨拶をそえましょう。

・いよいよ桜の開花予想が出る頃となりました。

・今年の桜は開花が遅れるとのこと、春が待たれます。

・桜の便りが次々と聞かれるこの頃…

・こちらはもう桜が満開になりました。○○さまのところはいかがでしょうか。

 

・桜の季節になりましたね。この時期は、急に冷え込んだり雨が降ったり。どうぞ、お体お大切になさって下さい。

・週末は全国的に良いお天気になりそうです。ご家族でお花見など、春をお楽しみ下さいませ。

 

終わりに

花冷えは、2週間位しか使えないことば。

ニュースで桜の開花をチェックして、咲き始める頃から挨拶文に使いましょう。

「花冷えの候」は、暖かい春をともに待ち望む、共感を得やすい挨拶です。

よい文書になりますように。