ハロウィンって楽しいですが、一体何なんでしょう。
クリスマスはキリストの誕生日ですよね。ハロウィンは?
魔女やゾンビが出てくるから悪いやつらのお祝いの日?まさかそんな!
ここでは、ハロウィンの起源と由来、トリック・オア・トリートや仮装、ジャック・オ・ランタンの意味、風習としての食べ物などをご紹介します。
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1ハロウィンの起源と意味
古代ケルト人の新年を迎える行事。キリスト教の諸聖人の日の前夜祭(All Hallows’ Evening)として現代まで残りました。*キリスト教の行事ではありません。
1)ケルト人のお祭りだった
ハロウィンはすっかり日本の行事になりましたが、もともとはケルト人の宗教行事。ケルト人って何だか神秘的ですね。
ケルト人はずっと昔、紀元前2千年ころに中央アジア(アフガニスタンやモンゴルなど)からヨーロッパに渡って行った人たち。
・・・独自の文化・宗教を持ちガリア人とも呼ばれました。
でも紀元前1世紀、ローマ帝国のジュリアス・シーザーに支配された後、ケルト人もケルト文化もそれぞれの地域に吸収されていきました。
ハロウィンは今もアイルランドなどに残るケルト文化の名残りです。

2)初めの名前はサウィン祭
ケルト人の宗教はドルイド教。・・・多神教で木や森を神さまと考えていました。四葉のクローバーも崇拝していたんですよ。

ハロウィンはドルイド教のお祭りだった時はサウィンと呼ばれていました。秋の収穫が終わって冬が始まる日のことです。
この日が11月1日。ケルト人にとっては新年が始まる日でもありました。
3)ハロウィンになったのは
カトリック教会が、布教のために「諸聖人の日」を作ったからケルト人のサウィン祭は伝統行事。収穫を感謝する宗教行事でもあります。
一神教のキリスト教としてはそんなものは無くしてしまいたいのですが、民衆に深く根付いています。
・・・たとえば日本で、お正月はやめてクリスマスだけ祝うように、と言われても無理な話ですよね。

そこで7世紀頃、カトリック教会はサウィン祭の11月1日をキリスト教の諸聖人の日にして、前の日10月31日を前夜祭ということにしました。
それならケルト系の人たちは行事を続けながらキリスト教を信仰できます。
これがつまって今ではロウィンHalloweenと呼んでいます。
10月31日の晩をさします。
2行事の由来
1)仮装の由来と意味
悪霊から身を守るドルイド教では11月1日が新しい1年の始まり。
冬が始まる時で、その前の晩10月31日はこの世とあの世の境界が薄くなって、死んだ人たちの霊が帰ってくる日と信じられていました。日本のお盆と同じですね。
でも、ドルイド教ではこの日死者だけでなく悪霊や魔女もやって来ます。
・・・日本でも季節の変わり目の節分には邪鬼が生じるとされます。そこで日本ではこの邪鬼を豆まきで追いはらいます。

ドルイド教では、自分たちも悪霊や魔女と同じ格好をして悪霊たちをだますんです!悪霊などの仮面をかぶって仲間のふり。そして魔除けの焚き火をたいていました。
悪霊たちは人間をねらっていますから、仲間の悪霊や魔女を襲うことはありません。
これがハロウィンの仮装の由来です。
ケルト人って賢いですね!
2)トリック・オア・トリートの由来
イギリスの中世からの慣習からイギリスでは、ハロウィンの日に貧しい平民や子供たちがお金持ちの家を回ってその家の人や友人のために祈り、お返しにソウル・ケーキというお菓子やお金をもらうという習わしがありました。
これらがトリック・オア・トリートの起源だとされています。

▶関連:トリック・オア・トリートの意味と答え方!お菓子は何を?
3)ジャック・オ・ランタンの由来
ランタンは悪霊を追い払うための火ハロウィンの夜にあの世から現れる悪霊や魔女たちは火をこわがります。そこで家々を回るときには火をともしたランタン(ちょうちん)を持ち歩きました。
このランタンがアイルランドの民話、さまようジャックの話と結びついてジャック・オ・ランタンと呼ばれるようになりました。

さまようジャックの話
大酒飲みで悪いことばかりしていたジャック。死んでも天国には行けません。
大酒飲みで悪いことばかりしていたジャック。死んでも天国には行けません。
そこで地獄に行こうとしますが悪魔に断られます。ジャックは生前悪魔をだまして、自分の魂を取らないという約束をさせていたのです。悪魔はジャックに燃えている地獄の炭火を投げつけました。
寒い夜どこにも行けないジャックは、ランタンにその炭火をともしました。ジャックはそれ以来ずっと安息の場所を求めてランタンを手にさまよっています。
ちょっとこわいです^^でも地獄に行くより良かったかも?
ランタンはアイルランドではカブでした。でもアメリカではカブが少なくてかぼちゃが多かった。
・・・日本のかぼちゃは固くてとてもくり抜けませんね。でもランタンに使われるかぼちゃは皮が固くありません。中は種ばかりで食べられないのですがランタンにするにはピッタリ。

そこで今ではこの陽気なオレンジ色のカボチャがジャック・オ・ランタンに使われています。
✔アイルランドからアメリカへ
アイルランドはハロウィンの慣習を守ってきた国。現代でもハロウィンは国の祝日です。
さて1845年ころアイルランドは大凶作になりました。
数百万人のアイルランド人がアメリカに移住しました。そのときハロウィンの習慣も持ち込まれ20世紀初めには全土に広がっていきました。

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3ハロウィンの風習としての食べ物
キリスト教会の多くがハロウインには肉を食べないことをすすめます。そこでこの時期に収穫される野菜や果物が食べられるようになりました。
キャンディ・アップル
秋に収穫されるりんご。りんごを熱く溶かした砂糖にひたして冷まします。日本のりんご飴と同じです。キャラメルにつけてナッツを付けたりします。
パンプキン・パイなど

カボチャを使ったパイやスープ、スイーツもいろいろ作られます。

バームブラック
バームブラックはドライフルーツや砂糖漬けの果物の皮を入れたパン。アイルランドではハロウィンに必ず食べられています。・・・写真はこちら
中に豆や布きれ、指輪などを入れて未来を占います。
指輪なら1年以内に結婚、豆は結婚しません。布きれなら貧乏に… ^^
[blogcard url=”http://hanasjoho.com/archives/3672.html”]
終わりに
紀元前から続くケルトのお祭りハロウィン。年の変わり目にやってくる悪霊たちへの魔除けだったんですね。
日本でも季節の変わり目に魔が生じるので節分には豆まきをします。
どちらも宗教的な意味合いはなくなりましたが、私たちの生活の楽しい節目としてずっと続いていきそうですね。
ハッピー・ハロウィン!
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