「秋の七草」の由来と覚え方!秋を愛でる、野の花たち

秋の七草は、春の七草ほど、なじみがありません。

でも、秋の七草が選ばれたのは、奈良時代。平安時代からの春の七草より、歴史があるんですよ。

お月見には、ススキやハギ、キキョウなど、秋の七草をお供えしたいですね。

 

ここでは、「秋の七草」の由来と覚え方について、写真と特徴(漢方の原料など)、自生する場所とあわせてご紹介します。

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秋の七草の由来

・秋の七草は、鑑賞するもの。
・奈良時代の歌人、山上憶良が選び、万葉集にのせられました。

秋の七草は、秋を愛でる花

春の七草(七種)は、食べるもの。野菜が少ない冬に、栄養を補う意味がありました。

秋の七草は、愛でるもの。鑑賞用です。

奈良時代の有名な歌人、山上憶良(やまのうえのおくら)が、秋の花として7つを選んで、歌に詠みました。

秋の野に
咲きたる花を
指折り(およびをり)

かき数ふれば
七種(ななくさ)の花

秋の野原に咲いている花を、指折り数えてみたら、七種類の花がある。

萩の花 尾花 葛花 瞿麦(なでしこ)の花 姫部志(をみなへし)
また藤袴 朝貌の花

~はぎ、おばな(すすき)、くず、なでしこ、おみなえし、ふじばかま、あさがおの花


指を「および」と読むのは、子どもを相手の言葉かともいわれているそうです。ー奈良市「万葉歌碑巡り」

山上憶良は、貧しい人たちや、家族や子どもへの愛情を歌に詠んだ人です。

子どもに語りかけている形の歌なのかもしれませんね。

秋の七草の歌は、『万葉集』におさめられて貴族たちの共感をよび、現代まで、多くの人に愛されてきました。

今も、秋の野原(花野)に出て、短歌や俳句を詠む人たちがいます。

秋の七草の花の名前は、すべて、俳句の秋の季語になっています。

・秋はいつから!暦で気象庁で体感で

 

秋の七草とは

秋の七草とは

秋の野の原っぱに、わんさか、またはひっそりと咲く秋の花たち。

秋の七草は、野原の中にあって、きれいな花たちです。

画像和歌の漢字名現代の名前

(はぎ)
はぎ
尾花
(おばな)
すすき
葛花
(くずはな)
くず
瞿麦
(なでしこ)
なでしこ
姫部志
(をみなへし)
おみなえし
藤袴
(ふじばかま)
ふじばかま
朝貌
(あさがお)
あさがお
:ききょう

朝貌(あさがお)は、ききょう

秋の七草の 「朝貌(あさがお)の花」は、朝顔ではなくて、桔梗(ききょう)だとされます。

朝顔や昼顔、木槿(むくげ)ではないかとする説もありますが、「日本の植物学の父」といわれる牧野富太郎(1862-1957)によると、どれもふさわしくないとのこと。

『植物一日一題』アサガオと桔梗ー青空文庫

ききょうを朝顔とする平安時代の文献(『新撰字鏡』)も残っています。

・・・梅雨時から咲いていますが、花期は6月~10月まで。

 

特徴、生えている場所

萩(はぎ)

【特徴】マメ科で、小さな花をつけます。
【花期】7~9月
【場所】原っぱ、道端

 

尾花(おばな:すすき)

【特徴】イネ科。茅(かや)とも呼ばれます。
【花期】9~10月
【場所】空き地、原っぱ、道端

 

葛(くず)

【特徴】マメ科。花は大きく、濃いピンクから紫。ハギに比べるとちょっとどぎつい感じです^^

根からは、くず粉が作られ、葛まんじゅうや葛切りに。また、漢方の風邪薬「葛根湯(かっこんとう)」の原料にもなります。

【花期】8~9月
【場所】空き地、原っぱ、道路端など。

 

瞿麦(なでしこ)

万葉集に詠まれた「なでしこ」は、カワラナデシコです。

【特徴】花びらはピンクや白で、先が細い糸のように分かれています。やさしく繊細な花で、「やまとなでしこ」とも呼ばれます。

乾燥した種子は、瞿麦子(くばくし)と呼ばれ、消炎利尿や通経薬として使われます。参照:大阪薬科大学薬用植物園お花紹介

【花期】6~9月
【場所】日当たりのいい草原、河原。自生が減っている地域もあり、埼玉では絶滅危惧Ⅱ類に分類されています。

 

姫部志(をみなへし)

おみなえしは、平安時代に入って(古今集の頃から)「女郎花」と書かれるようになりました。都立薬用植物園

女郎は、もともとは「女性」という意味です。おみなえしの仲間には、花が白くて、全体にたくましい男郎花(おとこえし)という植物があります。

【特徴】小さく黄色い花が、まとまって咲きます。根は、漢方で、鎮静、消炎、利尿などに使われます。参照:大阪薬科大学薬用植物園お花紹介

【花期】6~9月
【場所】日当たりのいい草原。自生が減っている地域もあります。

 

藤袴(ふじばかま)

花の色が、藤に似ていること、花弁の形が袴(はかま)に似ていることからつけられた名前です。

↓藤色のはかま。横向き。

 

【特徴】キク科。細い糸のような花びらが開いて、房のようになります。利尿薬や糖尿病予防などに使用されます。参照:大阪薬科大学薬用植物園お花紹介

【花期】8~9月
【場所】河原など。自生は減って、環境省のレッドリストでは、準絶滅危惧とされています。

 

朝貌(あさがお:ききょう)

【特徴】梅雨時から、秋まで咲きます。桔梗根は、去痰薬として使われます。参照:大阪薬科大学薬用植物園お花紹介

【花期】6~10月
【場所】花屋では見かけますが、自生は減っています。環境省レッドリストで、絶滅危惧Ⅱ類にあげられています。

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秋の七草の覚え方

まず、万葉集のまま覚える

和歌は、五・七・五、七・七と、人間がとても覚えやすいリズムを持っています。

そのまま、指を折りながら十回くらい口ずさんで、だいたい覚えましょう。

はぎの花
おばな くずはな
なでしこの花

おみなえし
また ふじばかま
あさがおの花(ききょう)

思い出すためのキーワード

花の名前をある程度覚えたら、語呂合わせをヒントに、思い出しましょう。

キーワードはこちら。

おすきなふくは(お好きな服は?)

「おみなえし」「すすき」「ききょう」「なでしこ」「ふじばかま」「くず」「はぎ」

 

おきなはすくふ(沖縄救う)

「おみなえし」「ききょう」「なでしこ」「はぎ」「すすき」「くず」「ふじばかま」

旧仮名づかいです。

 

ハスキーなおふくろ 
「はぎ」「すすき」「ききょう」「なでしこ」「おみなえし」「ふじばかま」「くず」

ハスキーって、ハスキー犬のことではなくて、かすれ声のこと。風邪をひいたときとかの、しゃがれ声もハスキーです。

かすれ声のお袋(お母さん)。でも、ハスキー犬に似たお母さんもいい^^

まとめ

秋の七草は、鑑賞用。

・・・由来は、奈良時代の『万葉集』、山上憶良の歌から。それぞれの花は、俳句の秋の季語になっています。

はぎ、すすき、くず、なでしこ
おみなえし、ふじばかま、ききょう

・・・覚え方は「おすきなふくは?」「ハスキーなおふくろ」。

ススキやクズは、今も空き地に群生していますが、カワラナデシコやキキョウ、フジバカマなど、絶滅が危惧されているものもあります。

お近くの植物園なら、すべての秋の七草に出会える可能性が高いです。

昔から大切にされてきた、日本人の秋を感じたいですね!

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