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啓蟄の「虫」ってどんな虫!春に虫やカエルが出る順番

      2016/06/12

モンシロチョウ
3月初めの啓蟄。

春を感じて虫たちが出てくる頃とされていますが、どんな虫が、どこから出て来るのでしょう。

虫って、冬の間どこにいるんでしょうね?

カエルやヘビは?

ここでは

啓蟄の日にち、啓蟄に出て来るとされる「虫」の意味、

啓蟄の頃から出て来る虫たちの種類や冬眠のしかた、出て来る時期や順番など、

また、啓蟄の行事、虫出しの雷の由来と意味についてご紹介します。



 

啓蟄とは

1)2016年の日にちと期間


日にち
3月5日
期間
3月5日~3月20日
 

2)意味

  • 季節を表す二十四節気の一つ
  • 地面が温まって冬ごもりの虫たちが這い出る
二十四節気は、太陽の高さによって1年を24の季節に分けたもの。啓蟄の次は春分です^^
*旧暦なら、新暦の4月?
旧暦は太陰太陽暦。日付は月の満ち欠けで決める太陰暦、二十四節気は太陽暦です。
だから、旧暦なら3/5は新暦の4/11、もっと暖かかったはず、虫もたくさん出てきただろう、ということはないんですよ。旧暦だと今年の啓蟄は1/27。新暦の3/5の日になります。
*啓蟄の反対はいつ頃?
虫が冬ごもりに入るのは、「蟄虫杯戸(むしかくれてとをふさぐ)」候。

二十四節気を更に細かく分けた季節で秋分の日の後で9月終わりから10月初めころ。寒い地域では、虫が冬支度に入ります。

3)啓蟄に出て来る「虫」とは

啓蟄には、地面が暖まって「冬ごもりの虫」が這い出てくるとされ、具体的な虫の名前が上げられているわけではありません。
・「虫」という漢字の意味はもともとはヘビのこと
・「(むし)」は生き物全部を表していたそうです
季節を表す二十四節気が中国で作られたのは紀元前。啓蟄の「冬ごもりの虫」は、初めは生き物全部のことを指していたのかもしれません。

日本では、虫と蟲が交じり合って、虫=ヘビを含むヘビより小さい生き物へと変わっていったそうです。

今は「虫」といえば昆虫ですね。

でも、啓蟄と聞くと、ヘビやカエルはどうなのかしらと連想します。

そこで、ここでは、昔の「虫」の意味にしたがって、
昆虫とヘビより小さい軟体動物(かたつむり)爬虫類(ヘビ・カエル・カメ)が出て来る時期をチェックしました。

 

春に出て来る虫の順番

啓蟄、3月初め頃から、確かに虫を見かけ始めます。

そして日が長くなり気温が上がる4月下旬には、たいていの虫たちが目覚めていて、季節は初夏へ。

庭や公園で見かける身近な昆虫たちは、いつ頃出て来るんでしょう。

 
目覚める順番(大体)
  • ミツバチ:2~3月
  • あり:3月上旬
  • モンシロチョウ・へび:3月下旬
  • てんとう虫:4月上旬
  • カメ:4月上旬
  • あまがえる:4月中旬
  • かたつむり:4月下旬
 

1)ミツバチ 2~3月

寒い時は、巣の中でみんなで体を寄せあって、しのいでいます。

冬眠ではないそうです。

暖かければ2月終わり頃から活動を始め、

4月中旬には、去年からいた女王蜂は新しい女王蜂に巣をゆずって、自分の働き蜂たちを引き連れて、新しい巣を作るため分封(巣分かれ)します。

この頃、いい天気の日に、よく蜂が窓辺にやって来て、あわてて窓を閉めたりませんか?巣に良いところを探しているんですね。

*ミツバチ以外のアシナガバチやスズメバチは、女王1匹だけが冬を生き延びて春に卵を産みます。

そして自分の巣を作っていきます。だから、春先に見かけるのは越冬したミツバチたち。

 

2)あり 3月上旬~

アリ

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アリはどうしていると思いますか?

土の中で眠っているのでしょうか。

アリは11月ころ寒くなると、巣のずっと奥のほう、地下1m以上の深さで冬眠しています。

アリの巣の入り口は、土などで自然に蓋がされてしまいます。

アリの穴なんて冬には見かけませんね。

3月上旬から、昼間、暖かい地表に姿を現し始めます。

 

3蝶 3月下旬~

春といえば、うららかな日に蝶が花の上を舞うイメージですね。
そこで、各気象台はモンシロチョウやキアゲハの初見日(初めて観察された日)を調べています。

*生物季節観測:気象台の職員の方が、気象台から半径5kmを虫などが出そうな時期になると、歩いてチェックされています。お疲れさまです^^

いつ頃出て来る?

 
もんしろちょう:3月下旬から
モンシロチョウPD
福岡3/17、広島3/26、大阪3/31
名古屋3/23、新潟4/8、仙台4/8
札幌5/2
*東京の観測をしているのは気象庁。東京駅のそばなので、もんしろちょうは観測されません、当然^^。 でも、お隣の皇居にはいるかもしれませんね。
きあげは:4月下旬から
キアゲハ
By Alpsdake (Own work) [CC BY-SA 3.0], via Wikimedia Commons

すっかり暖かくなってから。
福岡4/29、広島4/23、名古屋4/22
新潟5/7、仙台5/17、室蘭5/27
*初見日がモンシロチョウにあるのにキアゲハにない所は、観察されていない(いない)ところです。

冬の間はどうしてる?

冬眠しています。

モンシロチョウやアゲハチョウは蛹で越冬。

雪に埋まってもへいちゃらです。マイナス100℃でも生息。

蝶は、寒いところでは10月ころから蛹になり、半年近くそのままで暖かくなるのを待ちます。

*キチョウなど、冬眠せず、成虫のまま冬を越すチョウやガもいます。

どこで冬眠?

枯れ草や、家の軒下とか畑に建てられた物置などにも。

結構高いところに蛹がとまっています。

蛹は薄こげちゃいろ。ふつうは、まったく気づきません。

 

 

4)てんとう虫 4月上旬~

てんとう虫 成虫のまま、日当たりのいい所にある、岩のすき間・木の割れ目・落ち葉の下など暗い所に、集団でとまって冬眠、春を待ちます。

ふだんは1匹で見ることの多いかわいいてんとう虫が、たくさん集まって身を寄せていると、ちょっとギョッとします^^

冬眠中なので、さわるとコロコロ転がります。

出て来るのは、4月に入る頃から。

 

5)かたつむり 4月下旬~

カタツムリ
カタツムリって昆虫じゃないんですね。

巻き貝の一種だそうです。う~ん、それでフランス人はエスカルゴを食べるのか。

カタツムリは、1年以上生きられます。

そこで、寒い冬は、落ち葉の下などにもぐりこみ、粘膜で殻に蓋をして殻の中にこもって冬眠します。

外から見ると死んだカタツムリに見えます。でも殻の口に白い膜が張っていたら冬眠中。

20℃位になると元気に活動します。

東京で4月下旬に入ったら。

 
虫はあたたかくなると目覚める?
昼の時間が長くなり、日光で地面があたたまって来ると、草が生え花が咲き、虫たちのえさも育ってきます。そこで、虫が冬眠から目覚めてきます。

あたたかくなると虫が出て来ますね。

でも、虫の目覚めには、気温だけでなく日照時間が関係します(光周性)。

だから、暖冬でも、すごく早くから虫が飛び回るというわけでもないんです。

*成虫で冬を越すキチョウなどは、暖かいとひらひら飛んでくれそうです。

キチョウ
 
By Alpsdake (Own work) [CC BY-SA 3.0], via Wikimedia Commons
 

カエルやへび、カメはどう?

1)へび 3月下旬~

へび
身近に見かけるのはシマヘビとアオダイショウ。

見かけたくはありませんが、どちらも毒はありません^^

ヘビは、岩の下や石垣のすき間などで10月位から動きを止めて冬眠します。

最高気温が15℃をこえる頃、東京で3月下旬に目覚めます。

*昔はへびも、気象台で観測していたそうです。さすがに、今は気象台の近くにはいないらしい。

2)カメ 4月上旬~

亀
カメは池や川底の土の中や、湿った陸地にもぐって冬眠します。

・・・暖かい地域では3月下旬に寒い地域では4月下旬頃に起きだすそうです。

川の中の岩などでカメの甲羅干しを目にするのは5月以降ですね。

 

3)カエル 4月中旬~

カエル 冬は、地面の中で冬眠しています。

出て来るのは結構遅くて、4月中旬以降。寒がりなんですね。毎年、気が付くと合唱していますが^^

*ここ関西でも4月12日ころから時々鳴き声を聴き始めました。

カエルの初見や初鳴き(その年初めて鳴く)が、気象台で観測されています。

 

とのさまがえる

トノサマガエル
 
By Alpsdake (投稿者自身による作品) [CC BY-SA 3.0], via Wikimedia Commons
トノサマガエルは、以前は各地で初見が観測されていたのですが、もう見つからなくなって、観測対象ではなくなったところも多いようです´~`準絶滅危惧種。
・初見 福岡5/11、松江4/18
 

にほんあまがえる

カエルは、繁殖期にはオスが田んぼで大合唱をしますが、

ニホンアマガエルは、雨が振りそうなときにも、冬眠から目覚めた時にも「クワックワッ」と鳴きます。

その最初の鳴き声が、季節の変化を表す「初鳴き」として観測されています。
・初鳴き 広島5/6、新潟4/18
↓後ろでも合唱しています。



 

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啓蟄の行事

薦外し(こもはずし)
薦外し 啓蟄には、各地のお城や庭園で、冬の間松の木に巻いていた菰(こも:むしろのこと)を外して燃やす行事が行われます。

あのむしろは、庭園の木の防寒のためと思っていたのですが、違いました。江戸時代から、松の害虫となるマツカレハの幼虫(まつけむし)を、駆除するために行われてきたものです。

マツカレハの幼虫は、寒い冬には、寒さを逃れるために松の木に巻いたむしろ(こも)に入り込むと考えられていました。そこで、春先になったら、集まった幼虫をこもごと燃やして一網打尽にする目的でした。

ところが、21世紀に入って、こもの中にはマツカレハの幼虫よりもマツカレハの天敵のヤニサシガメの方がたくさん集まっていることがわかり、現在では菰巻きをやめたところもたくさんあります。

今は害虫退治というより、立冬に菰を巻き啓蟄に外す季節の行事として行われています。

 

虫出しの雷

意味:春の季語
立春のあと、初めて鳴る雷。

ちょうど啓蟄の頃に鳴ることも多いため、冬眠中の虫が驚いて出て来る雷として「虫出しの雷」と呼ばれるようになりました。

春になる雷、春雷のあと数日は、暖かい天気になることが多いそうです。

 

それでは!ここまでご覧いただき、どうも有難うございました。

今年は暖冬なので、虫たちが起きだすのも例年より早めかも。

でも、気温だけでなく日の長さによっても目覚めが決まる(光周性)ので、すごく早くなるということはないようです。

啓蟄を迎えると、春の嵐はあっても気温は上がりつつあり、もう体感としても季節は春。

いよいよ私たち人間も冬ごもりから出て、進級、異動、お花見のシーズン!ですね。

お元気でお過ごしください。

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