そろそろ春一番の時期。今年はいつ頃吹くでしょうか。昨年2016年は、何と関西と九州にだけ吹きませんでした。今年こそは!
さて、春一番と認定?される風はどんな風でしょう。
ここでは、春一番について
・春一番の意味とメカニズム
・気象庁、各気象台の定義・条件・よく吹く時期
・よく吹く地域と吹かない地域
・2017年の予想
・気象庁、各気象台の定義・条件・よく吹く時期
・よく吹く地域と吹かない地域
・2017年の予想
をご紹介します。
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1春一番とは
春一番の名付け親は、長崎県壱岐市の漁師さん達とされます。江戸末期の1859年3月17日、強い南風で漁船が転覆、53人が亡くなりました。この前後から強い南風を「春一番」「春一」と呼ぶようになったとのことです。
「春一番」は激しい風。時速28.8km以上です。今も、海難事故・なだれなどの被害が起きやすく警戒が必要です。

1)意味とメカニズム
・意味
春一番とは、広辞苑によると「立春後、初めて吹く強い南寄りの風」のことです。大陸から吹く北風ではなく、暖かい南から吹いてくる風のことですね。どういう仕組なんでしょう?
・メカニズム
「春一番」は、初めて春型の気圧配置になって吹く南風です。
春型の気圧配置?
あまり耳にしませんが^^天気予報では3月になると「移動性の高気圧と低気圧が、交互に日本にやって来ます」という表現がよく使われますね。
この高気圧と低気圧が交互にやってきて、晴れたりくもったり雨になったりをくりかえすのが春の気圧配置、春の天気の特徴です。


春が近づくと、西高東低の冬の気圧配置が崩れて、日本海に低気圧が発生。その低気圧に向かって、太平洋側にある温暖な太平洋高気圧から暖かい風が吹き込みます。
この最初の南からの暖かい風が、春一番です。
2)気象庁の定義(大まか)
気象庁は各地の天気予報はしません。*東京地方は気象庁が予報。そこで、大まかな定義を決めて、あとは各地の気象台が地域の実情に合わせた予報をするようにしています。
3)各気象台の定義(条件)
-1春一番の期間(共通)
春一番の期間は全国共通です。*「立春から春分までの間」には春分の日を含めません。
2017年の期間
立春から
2月4日(土)0時から
春分の前日いっぱい
3月19日の24時まで
-2各気象台の定義
風速や暖かさの定義が少しずつ違います。*日頃強い風が吹きやすい地域は風速の基準が高い、など。
気象庁(関東)
- 立春から春分までの間
- 日本海に低気圧がある
- 東京で最大風速8.0m/s以上
- 西南西から東南東の風
- 前日より気温が高い
新潟(北陸)
- 立春から春分の間
- 日本海に低気圧がある
- 金沢・富山・福井のいずれかの気象台で最大風速10m以上、その他の気象台で6m以上の風が吹く
- 南寄りの風
- 最高気温が前日より高いかほぼ同じ
名古屋(東海)
- 名古屋・岐阜・津・静岡のいずれかの気象台で
- 立春から春分の間
- 日本海に低気圧がある
- 最大風速8m以上
- 南寄りの風
大阪(近畿)
- 立春から春分の間
- 低気圧が日本海にある
- 最大風速8m/s以上
- 南寄りの風
- 最高気温が平年、または前日より高い
高松(四国)
- 立春から春分までの間に
- 低気圧が日本海付近で発達
- 南寄りの風が
- 最大風速おおむね10m以上で吹き
- 最高気温が前日より上がる
広島(中国)
- 立春から春分までの間
- 日本海で低気圧が発達
- 中国地方くらいの広い範囲で
- (やや)強い風
- 南よりの暖かい風
- 気温が高くなる
- 山陽側で強い風が吹かない時でも春一番とすることがある。
福岡(九州北部・山口)
- 立春から春分までの間
- 日本海に低気圧
- 最大風速7m以上
- 南寄りの風
- 前日より気温が上昇
鹿児島(九州南部・奄美)
- 立春から春分の間
- 最大風速8m以上
- 南寄りの風(東南東から西南西)
- 九州南部が低気圧の暖域に入る
✔風速8mってどのくらい?
気象庁サイトのビューフォート風力階級表によると風速8.0m~10.7mは
・葉のある灌木が揺れ始める
・池や沼の水面に波頭がたつ

結構強い風です。
そしてこれは最大瞬間風速ではありません!10分間を平均するとその速度で吹いていた、という最大風速です。
つまり「秒速8m前後の風が10分間吹き続けていて、平均したら毎秒8mだったよ」ということ。
ずっと時速28.8km以上の風が吹いているんですね。
-3観測しない地方
2.よく吹く時期と地域
1)よく吹くのはいつ?
-よく吹く時期
実は、時期については、2月から3月にかけてバラバラ。傾向があるとはいえません。平均すると2月18日頃なのですが。春一番が吹く日に平均はあまり意味がないですね。
でも、これまでは暖冬ならバレンタインの頃に、寒い冬だと3月に吹くことが多かったんですよ。

・・・暖冬の年2007年と2009年、2016年は2月13日、14日でした。*2016年は近畿・九州除く 。かなり激しい南風で全国いっせいに吹き荒れました。
・・・寒冬の1996年、2006年、2013年、2014年は3月に吹きました。全国的にも同じ傾向です。
-吹かないこともある!
全国的に吹き荒れたことはありますが、全国的に吹かなかったことは一度もありません。毎年どこかに吹いています。でも、地域によっては吹いたり吹かなかったり。
*全国に吹き荒れたのは2007年2月14日、2009年2月13日
2)よく吹く地域、吹かない地域

春一番は、よく吹く地域とあまり吹かない地域があります。どの地域があまり吹かないのでしょう。
*次は平成元年から28年までの過去28年間の春一番が吹いた確率です。
-1よく吹く地域
吹いた確率 | |
北陸 | 93% |
関東 | 82% |
九州北部 | 71% |
中国 | 61% |
-2確率が半々の地域
近畿 | 54% |
四国 | 50% |
九州南部 | 49% |
-3あまり吹かない地域
東海 | 43% |
3)近年の各地の春一番

2016 | 2015 | 2014 | 2013 | 2012 | |
関東 | 2/14 | なし | 3/18 | 3/1 | なし |
北陸 | 2/14 | 2/22 | 3/12 | 2/7 | 3/11 |
東海 | 2/14 | なし | なし | 3/18 | なし |
近畿 | なし | なし | なし | 3/18 | なし |
中国 | 2/14 | 2/22 | 3/16 | 3/1 | 3/6 |
四国 | 2/13 | 2/22 | 3/18 | 3/1 | 3/17 |
九州 北部 | なし | 2/21 | なし | 3/1 | 3/17 |
九州 南部 | なし | なし | 3/13 | 2/4 | なし |
近畿は1回だけという悲しい結果に。
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確率とこれまでから予想!
-時期予想:2017年は2月?
さて、2017年の冬は平年並み、でも3月は平年並みか平年より暖かい予報が出ています。もし2月中から暖かくなっていくとしたら、暖冬の時と同じく2月中に吹くかもしれませんね。バレンタインごろに?

ー地域予想
平成元年から28年までの過去28年間の春一番が吹いた確率を調べて、大胆(不敵)に2017年を予想してみました。吹く確率 | 2017予想 | |
関東 | 82% | 吹く |
北陸 | 93% | 吹く |
東海 | 43% | 吹かない? 昨年吹いたので今年はお休み |
近畿 | 54% | 吹く? もう3年吹いていないので |
四国 | 50% | 吹く? ここ5年続けて吹いているのでまた? |
中国 | 61% | 吹く? ここ8年続けて吹いているのでまた? |
九州北部 | 71% | 吹く 昨年吹いていないので |
九州南部 | 49% | 吹く? ここ2年吹いていないので |

✔春一番が吹いたら注意!
・翌日は寒い。冬型の気圧配置に逆戻りします。暖かくして下さいね。
・これ以降、強い風がよく吹きます。風で転倒したり、ドアに手をはさまれたり、春は風の事故が多い季節でもあります。
*東京消防庁によると風の事故の半分は2・3・4月に発生。

終わりに
事故が起きる危険もある春一番。でも、やはり春の兆し。吹くか吹くかと心待ちにしてしまいます。
今年2017年は、平年並みの冬の寒さで3月は暖かめ。2月中に吹くかもしれません。
昨年吹かなかった近畿や九州北部にも吹いてくれるでしょう(期待!)。
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