寒いですね。
1月20日は、暦の上では「大寒」。日本中が寒さにこごえる時期です。
大寒には、冬のさかりならではの、背中がしゃきんとする行事や、栄養をつける食べ物があります。
ここでは、大寒について
・意味と由来
・日にちと「大寒の候」
・日本の寒さのピーク
・行事と食べもの
をご紹介します。
意味と由来
大寒の意味
『暦便覧』によると、大寒(だいかん)は
「冷ゆることの至りて甚だしきときなれば也」
冷えることが、至り、はなはだしいから「大寒」です。*至る:行きつく。この上ない。
大寒の由来
大寒は、中国伝来の季節の区分「二十四節気(にじゅうしせっき)」による冬の季節の一つです。
二十四節気は、太陽の高さに応じて1年を24の季節に分けたもの。日本の旧暦(太陰太陽暦)の太陽暦の部分にあたります。
「立春」や「春分」も二十四節気です。太陽の動きによるので、ほぼ365日おきに訪れます。
日にちと「大寒の候」
大寒の日にち
2022年は
日にち
1月20日
*毎年1月19日か20日です。
✔旧暦の月では?
旧暦(最後の天保暦)では、「冬至」が、必ず十一月に入るように暦をつくりました。*2022年冬至は、旧暦では十一月の二十九日。
・・・「大寒」は、冬至からおよそ30日ほど後。旧暦の月切り(暦月)では、十二月のどこかにあたります。
江戸時代の人にとっては、十二月がいちばん寒い時期だったんですね。
旧暦では12月18日
*旧暦でも、現代と同じときに「大寒」になりますが、日付けは毎年変わります。
「大寒の候」はいつまで
大寒は大寒の日だけではなく、立春の前の日までの期間をさすこともあります。
手紙や文書での時候のあいさつ「大寒の候」は、この間に使うことができます。
「大寒の候」の期間は、大寒の日から、次の季節の区分「立春」の前の日まです。
期間
1月20日~2月3日まで
*立春:2022年は2月4日
大寒の3候
二十四節気をさらに72の季節に分けた七十二候では、大寒は次の三候に分かれます。
【初候】1/20~24
款冬華(ふきのはな さく)
: ふきのとうがつぼみを出す
↓ふきのとう:フキのつぼみ
【次候】1/25~1/29
水沢腹堅(さわみず こおりつめる)
: 沢(細い川)に氷が厚く張りつめる
ほんとうに龍蛇が渡ったような、諏訪湖の「御神渡り」↓
【末候】1/30~2/3
鶏始乳(にわとり はじめて とやにつく)
: 鶏が卵を産み始める
これが、大寒たまごの由来です。
寒さのピークは今?
大寒の日の寒さ
「大寒」の日の東京の平年の最高気温は9.5℃。最低気温は1.1℃です。*平年値が変わって、平均気温は少し上がりました。
16日~23日:9.5℃
18日~28日:1.1℃
・・・大寒のころは、一年で一番寒い時期、寒さのピークといえますね。
行事と食べもの
大寒の行事
1寒稽古(かんげいこ)
柔道、剣道など武道では、この時期に寒稽古(かんげいこ)が行われます。
一番寒い時期だからこそ、寒さに耐えて精神力をきたえ、技術・体力もきたえる寒稽古。
寒い朝、早起きしてお弁当を作らないといけないお母さんも、寒行です。
2大寒禊(だいかんみそぎ)
茨城県の鹿島神宮、山口県の春日神社などでは、大寒の日に禊(みそぎ)が行われます。
イザナギノミコトが水で心身を清めたことから、神道では水につかることで穢れ(けがれ)を落とすと考えられています。
大寒の日には、一般の人も参加できます。
大寒の食べもの
1大寒たまご
大寒の食べものといえば、大寒たまご。
大寒の日にうまれた卵は、栄養いっぱいで寒さを乗り切る力をつけ健る、金運がアップするなどとされています。
・栄養いっぱい
昔は、寒い冬には、ニワトリはたまにしか卵を産みませんでした。
たまに生まれる卵には、栄養がつまっていると考えられたのです。
・金運アップ
風水で、黄色い黄身から。
ただ本当に大寒に生まれた卵かというと、スーパーの卵では難しいかも。
「大寒たまご」2022意味とご利益!金運アップ、スーパーの卵でも大丈夫?
2寒の水
「寒」の間にくんだ水を「寒の水」といいます。
昔から、寒の時期にくんだ水には、霊力が宿ると考えられてきました。
1年で一番寒いこの時期には、ばい菌も繁殖力が低下。
おいしい水が無料で飲める井戸や湧き水が近くにあれば、もらってきましょう。
清冽で澄んだ水は、心まで清めてくれそうです。
*「寒仕込み」「寒造り」といって、味噌や日本酒の仕込みも、この寒い時期の水を使って行われます。
3寒ブリ、寒サバ
寒の時期の魚や貝は、春からの産卵にむけて栄養をたくわえます。
だから脂がのって、とてもおいしくなるんですね。
寒ブリ、寒サバ、寒サワラ。寒シジミもどうぞ。
まとめ
1月20日、大寒の今がいちばん寒い時期。1月末から気温は下げ止まり、2月4日は立春です。
大寒の時期の食べ物は、縁起がいい「大寒たまご」、脂ののった「寒ブリ」や「寒サバ」です。
また、霊力の宿る「寒の水」や「寒造りのお酒」を飲んで、キリっと寒さを乗り切りましょう!