2024年の夏至と冬至。
「夏至」は昼が一年で一番長く、「冬至」には夜が一年で一番長くなります。
でも夏至には一年でいちばん早く夜が明けて、一番遅く日が沈むというわけでもありません。*冬至も同様です。
「夏至」とは
〇昼の時間がいちばん長い
×夜明けが一番早い
「冬至」とは
〇夜の時間がいちばん長い
×夜明けが一番おそい
ここでは、
(昼夜の時間の長さ、日の出や日の入りが、一番遅い時期、早い時期)
2 暑さ寒さはこれから
3 夏至・冬至の風習と食べ物
についてご紹介します。
1 夏至と冬至の違い
1)日にち
夏至と冬至の日にちは、年によって少し違います。
2024年
夏至 6月21日(金)
2024年
冬至 12月21日(土)
2)日の出・日の入りの時間、昼・夜の長さ
お住まいの地域(県庁所在地)の日の出・日の入時間は、国立天文台のサイトで簡単に調べられます。
2024年は
東京 | 夏至 | 日の出 4:26 日没 19:00 | 昼14時間34分 |
冬至 | 日の出 6:47 日没 16:32 | 昼 9時間45分 | |
名古屋 | 夏至 | 日の出 4:38 日没 19:10 | 昼14時間32分 |
冬至 | 日の出 6:57 日没 16:44 | 昼 9時間47分 | |
大阪 | 夏至 | 日の出 4:45 日没 19:15 | 昼14時間30分 |
冬至 | 日の出 7:01 日没 16:51 | 昼 9時間50分 |
3)夏至と冬至、簡単にいうと
夏至
太陽は1年でいちばん北寄りの東からのぼって、昼の12時に空のいちばん高い所をとおり(南中高度が最も高い)、いちばん北寄りの西に沈みます。
![](https://hanasjoho.com/wp-content/uploads/2017/06/b3958838d73dca612a884af7f6bd688a-300x242.jpg)
By すじにくシチュー (Own work) [CC0], via Wikimedia Commons
4月終わりころには、太陽が高いところまで上るようになって、昼間は部屋の中に日光が差し込まなくなります。
夏至には、太陽がいちばん高いところから照りつけるので、私たちの影法師も、いちばん短いですね!
![](https://hanasjoho.com/wp-content/uploads/2016/05/3682e707f450bc444940148b89d75a7a.jpg)
Willy Leenders, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
冬至
太陽は1年でいちばん南寄りの東からのぼって、昼の12時に空のいちばん低い所をとおり(南中高度が最も低い)、いちばん南寄りの西に沈みます。
↓夏至と同じ図です
![](https://hanasjoho.com/wp-content/uploads/2017/06/b3958838d73dca612a884af7f6bd688a-300x242.jpg)
By すじにくシチュー (Own work) [CC0], via Wikimedia Commons
秋から冬にかけて、南向きの部屋が、明るくなりませんか?
太陽の高さが低いので、日差しが斜めに差し込んで、部屋の中まで太陽光が入ります。
冬至には、わたしたちの影法師も、1年で一番長くなります。
4)日の出・日の入り、一番早い時期、遅い時期
2024年
・「日の出」一番早い時期
・「日の入り」一番遅い時期
夏至は昼間が一番長い日ですが、一番早く日が昇って、一番遅い時間に日が沈む、というわけではありません。
1年で一番日の出が早いのは、夏至の少し前。日の入りが一番遅いのは、夏至の少し後です。
*年によって、夏至の日が含まれることがあります。
日の出が一番早いのは
一番早く日が昇る
6月5日~20日
6月9日~16日
6月9日~15日
一番遅く日が沈むのは
日の入りが一番遅い
6月23日~7月4日
6月24日~7月4日
6月21日~7月6日
2024/25冬
・「日の出」が一番遅い時期
・「日の入り」が一番早い時期
冬至は昼間が一番短い日。でも、一番遅く日が出て、一番早く日が沈んで暗くなるというわけではありません。
1年で一番日の出が遅いのは、冬至の少し後。日の入りが一番早いのは、冬至の少し前です。
*2024/25冬(2024年12月~2025年2月)
「日の出」が一番遅いのは
日の出が一番遅い
2025年1/1~1/13まで
2025年1/1~1/13まで
2025年1/4~1/11まで
日の出が朝6時になるのは、東京で3月9日頃、大阪で3月21日頃です。
一番早く、日が沈むのは
日の入りが一番早い
2024年11/28~12/12まで
2024年12/1~12/9
2024年11/30~12/10
日の入りが夕方6時以降になるのは、東京で3月29日頃、大阪で3月8日頃から。
2 暑さ・寒さはこれから
夏至も冬至も、暑さ寒さが「至る」のは、まだずっと後。
夏至を過ぎてから暑さが増し、冬至を過ぎるころに、寒さは本格的になります。
1)夏至は、まだ暑くない
ー夏至とは:日射量の多いとき
『暦便覧』では、夏至は
「陽熱至極しまた、日の長きのいたりなるを以てなり」
とされます。
一番暑い時期ではありませんが、太陽が一番高いところから、一番長く照ります。太陽の熱、日射量が一番多い「陽熱至極」の時期です。
また、「日の長きのいたり」どおり、夏至をすぎると、日が長い時期は終わって、少しずつ日が短くなっていきます。
ー夏至と暑さのピークはずれる
太陽の熱は、地面をあたためます。
空気はあたたまりにくくて、まず地面があたたまってから、地面の熱で空気もあたたまっていきます。
そこで、夏至と本当に暑い時期に、ずれが生まれます。夏至よりも1ヶ月半~2ヶ月後の8月が暑いですね。
一方、地面は、夏至を過ぎて日が短くなるにつれて、少しずつ熱を減らしていきます。それにつれて、9月頃には、空気の温度もさがり秋へ向かっていきます。
2)冬至から、寒さは本番へ
冬至は、夏至の逆です。日は長くなるのですが、暖かくなるまでに時間がかかるので、これから、いっそう寒くなります。
冬至を過ぎて日が長くなると日射量がふえて、地面はあたたまります。
でも、地面がじゅうぶんあたたまって、空気もあたたまり始めるのは、1月終わりころから。立春には、気温は少しずつ上がり始めています。
暖かさを感じるのは、冬至から1カ月半~2カ月後の2月下旬ころになります。
3 夏至・冬至の風習と食べ物
夏至6/21 | 冬至12/22 | |
風習 | 特になし | ゆず湯 |
食べ物 | 特になし(中国は麺類など) 7/2半夏生に ・タコ(近畿) | ・かぼちゃ ・小豆粥 ・こんにゃく ・「と」の付く食べもの ・冷や酒 |
祭り | 二見興玉神社の夏至祭 キャンドルナイト:増上寺ほか | 一陽来復:穴八幡宮 星祭り:高尾山薬王院 |
1風習・食べ物
ー「夏至」:特にない、「半夏生」が大事
日本には、特に夏至の風習や食べ物はありません。日本人にとって、夏至はあまり重要ではなかったんです。
*お隣の中国では、「ちまき」や「麺類」を食べて、邪気や疫病をはらう風習があるそうです。暑い夏至には、私たちも冷麺とかいいですね。
日本では、夏至のころは、梅雨でくもりや雨が多く、日の長さを実感できるとは限りませんでした。
また、田植えで忙しい時期でもありました。
7月初めまでに田植えを終えておかないと、稲の根がじゅうぶんに張らないままで、梅雨明けの大雨で流されてしまいます。
農家にとっては大切な節目は、夏至より少し後の7月初め。
この時期までに田植えを終える目安として、半夏生(はんげしょう 7月2日)という、日本独自の節目(雑節)を設けました。
半夏生の日には、田植えが終わったお祝いに、小麦もちなどを神さまに供えたり食べたりする風習がありました。
✔半夏生(7/2)の食べ物
近畿のタコ、奈良の小麦餅(さなぶり餅)、大阪河内の小麦餅(はげっしょ餅)、福井県大野の焼き鯖、香川のうどん、愛知のいちじく田楽など。
![](https://hanasjoho.com/wp-content/uploads/2016/05/868e63b1d394ae0cbdc331a6cc0dcd39.jpg)
タコへの支出が、全国平均で一世帯あたり一番多くなるのが、6・7月では、7月2日。半夏生の日です。
日本で、年間を通してタコへの支出額が一番多いのは、近畿地方。全国平均の1.4倍です。「たこ焼き」が名物ですね。
全国的には、おせちなどで12月の支出が多いのですが、近畿は7月。
半夏生の日には、スーパーではタコが安くなったり、たこ焼き祭があったり…^^ やっぱり、近畿はタコのようです。
![](https://hanasjoho.com/wp-content/uploads/2016/05/4081601_s.jpg)
半分にカットしたイチジクに、甘辛い田楽味噌をのせて焼いたもの。
ネットにレシピがあるので、作ってみたいですね。おいしそうです。
愛知県のイチジクの産出額は、日本一。全国の29.2%を占めています(2018年)。
冬至の風習・食べ物
風習:柚子湯
柚子(ゆず)を5~6個輪切りにして、お風呂に浮かべます。
・・・もともとは銭湯で、冬至の日に柚子を入れて「ゆうずうが効く*」という、ごろ合わせで始められました。*その場に応じて、臨機応変にふさわしい対処ができること。
冬至と湯治(とうじ:温泉に滞在して病気の療養をすること)のごろ合わせでもあるそうです。昔も今も、ごろ合わせのゲン担ぎは多いですね^^
*カピバラもゆず湯(埼玉県こども動物自然公園)↓
柚子湯には、血行を促進して「体をあたためる」効果、「ひびやあかぎれを防ぐ」効果があることが実証されています!
冬至の食べ物
:赤い色が、疫病を防ぐとされます
冬至の日の朝に、小豆粥を食べる風習もありました。かゆは、古代から儀式や神事で食べられていた行事食です。
:冬至に食べると長生き!
:体の砂払い(悪い物を掃除)
:「とうじ」との語呂合わせ。豆腐、唐辛子など。
:冷や酒を飲みながらゆず湯に入ると、風邪をひかない
まとめ
「夏至」は、昼の時間が一番長くて、「冬至」は一番短い日。
日の出や日の入りが一番早い時期などは、夏至と冬至の前後になります。
空気が冷えたり、あたたまるのには時間がかかるので、暑さ・寒さのピークは、夏至・冬至より1カ月半~2カ月後になります。
「夏至」は梅雨どき。日の短さを必ずしも実感できませんが、少しずつ気温が上がっていきます。
7月末から8月8日の立秋ころまでがいちばん暑い時期です。
お元気でお過ごしください。