2018年の夏至と冬至はいつでしょう。
日没は何時頃で昼の長さ・夜の時間はどのくらい?
風習や食べ物はどう違うのでしょうか。
夏至と冬至の違い
1)日にち
夏至と冬至の日にちは、年によって少し違います。
冬至12月22日(土)
夏至 6月22日(土)
2)日の出・日の入りの時間、昼・夜の長さ
お住まいの地域の日の出・日の入時間は、国立天文台のサイトで簡単に調べられます。
2018年は
東京 | 夏至 | 日の出 4:25 日没 19:00 | 昼14時間35分 |
冬至 | 日の出 6:47 日没 16:32 | 昼 9時間45分 | |
名古屋 | 夏至 | 日の出 4:38 日没 19:10 | 昼14時間32分 |
冬至 | 日の出 6:57 日没 16:44 | 昼 9時間47分 | |
大阪 | 夏至 | 日の出 4:45 日没 19:14 | 昼14時間29分 |
冬至 | 日の出 7:01 日没 16:51 | 昼 9時間50分 |
*2018年夏至は、6月21日でした。
3)夏至と冬至、簡単に言うと
夏至
太陽は1年でいちばん北寄りの東からのぼって、昼の12時に空のいちばん高い所をとおり(南中高度が最も高い)、いちばん北寄りの西に沈みます。

By すじにくシチュー (Own work) [CC0], via Wikimedia Commons
*夏至は日の出が一番早く、日の入りが一番遅いわけではありません。
日の出が一番早い(2018年)
:6/6~6/21 東京4:25
日の入りが一番遅い(2018年)
:6/24~7/4 東京19:01
冬至
太陽は1年でいちばん南寄りの東からのぼって、昼の12時に空のいちばん低い所をとおり(南中高度が最も低い)、いちばん南寄りの西に沈みます。
↓夏至と同じ図です

By すじにくシチュー (Own work) [CC0], via Wikimedia Commons
*冬至は日の出が一番遅く、日の入りが一番早いわけではありません。
日の出が一番遅い(2019年)
:1/2~1/13 東京6:51
日の入りが一番早い(2018年)
:11/29~12/13 東京16:28
2夏至と冬至の風習と食べ物
夏至6/21 | 冬至12/22 | |
風習 | 特になし | ゆず湯 |
食べ物 | 特になし 7/21半夏生に ・タコ(近畿) | ・かぼちゃ ・小豆粥 ・こんにゃく ・「と」の付く食べもの ・冷酒 |
祭り | 二見興玉神社の夏至祭 | 一陽来復、星祭り |
1風習・食べ物
夏至:特にない
夏至の風習や食べ物はありません。理由は、日本人にとって夏至はあまり重要ではなかったから。
日本人はお米を作ってきた民族。
夏至のころは、田植えで忙しかったのです。
7月初めまでに田植えを終えておかないと、稲の根がじゅうぶんに張らないままで、梅雨明けの大雨で流されてしまいます。
そこで夏至ではなく、7月初めが農家にとっては大切な節目。
この時期を半夏生(はんげしょう 7月2日)として、田植えが終わったお祝いに小麦もちなどを神さまに供えたり食べたりする風習がありました。
奈良・河内には、この風習が今も残っていて「はげっしょ餅」などと呼ばれています。
ほかに、明石のたこ、香川のうどん。
江戸時代に殿さまが農民の田植えをねぎらったことから続く福井県大野市の焼き鯖など。愛知県にはいちじくの田楽を食べる地域があります。
冬至の風習
冬至にはおなじみの全国的な風習、食べ物がありますね。
柚子湯
柚子(ゆず)を5~6個輪切りにして、お風呂に浮かべます。
もともとは銭湯で、冬至の日に柚子を入れて「ゆうずうが効く」という語呂合わせで始まった慣習。
でも、柚子湯には、実際に体をあたためる効果、ひびやあかぎれを防ぐ効果があることが実証されています。
冬至だけでなく、寒い日にも柚子湯をどうぞ。
食べ物
かぼちゃ、小豆粥、こんにゃく、「と」のつく食べ物、冷酒など
2)お祭り
夏至のお祭り
夏至は太陽の動きでは大きな節目。三重県の二見興玉神社では夏至の日、夜明け前から海に入って禊(みそぎ)をする「夏至祭」が行われます。
二見浦の夏至と冬至
二見浦の夫婦岩では、夏至の頃にはこの二つの岩の間から日が昇り、冬至の頃には月が昇ります。
浜からこの夫婦岩の間を拝むと、太陽(天照大神)と二見ヶ浦に沈む興玉神石(猿田彦神)を礼拝することになります。
ふだんはあまり考えることはありませんが、日本の神道も太陽(=天照大神)を礼拝する宗教なんですね。
冬至のお祭り
冬至がすぎると、昼が長く夜が短くなり始めることから、いくつかの神社で一陽来復のお祭りが行われます。また、星供養を行う寺院もあります。
一陽来復
一陽来復とは「陰が極まって陽がくる。冬が終わって春がくる。悪いことが終わっていいことが始まる」という意味。
✔穴八幡宮
東京早稲田の「穴八幡宮」では、冬至の日から翌年の節分の日まで一陽来復のお札を授けます。
ご利益はお金繰り。
その年の恵方に貼ってお参りすると1年間金繰りがよくなるそうです。*お金のやりくりがうまくいく。いいですね!
【住所】新宿区西早稲田2-1-11
【地図】こちら
【電話】03-3203-7212*公式サイトはありません。
【札の授与】冬至の日~翌年の節分の日まで
星祭り(星供養)
天台宗、真言宗の寺院では生まれ年の干支にあたる星を供養して、1年の幸福を祈ります。
*東京の高尾山などでは冬至に行われますが、新年、立春に星供養を行う寺院もあります。
夏至と冬至、キャンドルナイト
2001年にカナダで始まり、日本でも2003年から行われているキャンドルナイト。
夏至の日と冬至の日の、夜8時から10時まで、照明を消してろうそくの灯りで過ごすというものです。
東京タワーが消灯し、増上寺でキャンドルの灯りでコンサートが行われるなど、各地でイベントが行われます。
省エネ、環境の保護の意味もありますし、夏至や冬至という機会に、蛍光灯やLEDの明かりを消して自然(夜の暗さ)に敬意を表することにもなります。
1/f ゆらぎでリラックスさせてくれるろうそくの暖かな光。ロマンチックです。
夏至、冬至の夜は、自宅でキャンドルナイトにして家族や友人との絆を深めてもいいですね。
3暑さ寒さは、これから
夏至も冬至も、気温が至るのはまだ後でになります。
夏至はまだ暑くない
『暦便覧』では、夏至は「陽熱至極しまた、日の長きのいたりなるを以てなり」とされています。
確かに、夏至をすぎると少しずつ日が短くなっていきます。
そして日に日に暑くなりますね。「陽熱至極」とはいえないのでは?
でも太陽の熱、日射としては、夏至の日には「陽熱至極」になります。
太陽が一番高いところから一番長く照る時期なので、太陽光が地上に一番降りそそぐ時期です。
太陽の熱は地面をあたためます。
地表があたたまってから、地表の熱で空気もあたたまっていくので、夏至と本当に暑い気温の高い時期にずれがあります。夏至よりも1ヶ月半~2ヶ月後の8月が暑いですね。
一方、地面は日が短くなるにつれて少しずつ熱を減らしていって、9月頃には空気の温度もさがり秋へ向かっていきます。
冬至から寒さは本番へ
冬至はこの逆です。
冬至を過ぎて日が長くなると日射量がふえて、地面は温まります。
でも、地面がじゅうぶんあたたまって空気もあたたまり始めるのは1月終わりころから。大寒を過ぎ、立春のころには、気温はほんのちょっとずつ上がっていきます。
暖かさを感じるのは、冬至から1カ月半~2カ月たった2月下旬ころから。
冬至が終わって、これから冬本番ですね。
お元気でお過ごしください。
