身内が亡くなった後のお正月、喪中ですが初詣に行ってもいいんでしょうか。
亡くなって間もなくなら初詣など考える余裕もありません。でも心が落ち着いてくるとやはり初詣に出かけたくなりますね。
ここでは、喪中の初詣について
・喪中・忌中の意味と期間
・神社やお寺への初詣
・古い御札の処分や新しい破魔矢、厄払い
などについてご紹介します。
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「喪中」と「忌中」の意味と初詣
忌中と喪中は意味が違いますね。そこで初詣についても忌中か喪中かによって違いがあります。
個人の悲しみの期間
神社への参拝などを控える「穢れ(けがれ)」の期間
喪中の意味と期間
喪中は個人の悲しみの期間です。
喪中の意味
:故人を悼み悲しんでいる
喪中の期間
:一般に1年
身近な人、心を寄せる人などが亡くなった時、悲しむことを喪に服すると言います。
喪に服している時は、お祝い事やお祭りなど晴れがましい席には出席しないこととされています。
-お祝い事に出ない理由
本人がお祭りや楽しいことをしたい気持ちになれないから
ー喪に服す対象は?
二親等(親・兄弟・祖父母)までと考える事が多いようです。三親等のおじやおばについても、同居していたり特に親しくしていた場合は対象になります。
-喪中に避けること
・正月のお祝い(年賀状欠礼など)
・結婚式など慶事への出席
ー喪に服す期間
一般に、亡くなった方が父母・子どもなら1年、兄弟・祖父母なら半年といった基準が今も残っています。
でも、この元になっているのは江戸時代の法令。
現代では、父母も兄弟も一周忌までを大まかな期間としながら、参加すべきお祝い事があったら喪は開けたことにすることも多いようです。
忌中の意味と期間
もう一つのお祝い事などに出席しない理由、また神社に参拝しない理由は、死は「穢れ(けがれ)」だからというものです。
:「穢れ(けがれ)」の期間
:50日
「穢れ」は、もともとは「気が枯れる」からきたもの。子や親が亡くなると悲しみで気(エネルギー)も枯れてしまいますね。
でも、穢れ(けがれ)は身内を失った人の気が枯れるだけではなく、忌むべきもの、不吉なものとして避けられました。
昔、医学が発達せず病原菌の存在さえわからなかった時代には「死」は今以上に恐れられていたのでしょう。
身内が死んだ者が、地域のお祭りに参加したらそのお祭りも参加した他の者もすべてが穢れてしまうといった考え方もしていたようです。
*今では考えられませんが、昔は病気は祟りや妖怪のしわざ。呪文や祈祷で病気平癒を祈るしかなかったんですね。
また、この「穢れ」を払うもの、穢れの対極にあるものが清浄な神道の神でした。
そこで神さまには「穢れ」をよせつけてはならず、神社への参拝も避けられました。
*仏教に「穢れ」はありませんが、仏教の忌中も、亡くなった日+四十九日で50日間です。49日間故人を供養することで故人が極楽に往生できるとします。
喪中・忌中の初詣
喪中
・個人の気持ちからお祝い事を避ける
・期間はほぼ1年だが、個人で判断できる
忌中
神道では
・・・穢れの期間50日間
・・・清浄な神社に参拝してはならない
仏教では
・・・故人のために供養する期間(亡くなった日+49日で50日間)
・・・穢れではない。寺に参拝するのは供養になる
親族のかたが亡くなっても50日過ぎて忌中でなくなっていれば神社に初詣することができます。
ただ、個人的に喪中として悲しみの中にあるのでお祝い事を避けたい、初詣をしたくないという気持ちもありますね。
・・・身近な人を亡くしてしばらくは、明るい花束を目にしても疲れるほどです。
そんな時期は忌が開けていても初詣は行かなくて構いません。
でも、少し元気になってやはり初詣をしたいなら忌が開けていたら初詣OKです。
神社への初詣
初詣に行きたいなら
神社庁によると、神社へは故人が亡くなった日から数えて50日(忌中)が過ぎたら初詣に行くことができます。
もし、お正月が忌中にあたったら、初詣はとりやめるかお寺に初詣に行きましょう。仏教では死は「穢れ」ではありません。
初詣に行かないなら
忌中だったり、喪中でも気持ちとして初詣はしないでおきたい時は行かなくて構いません。
-お参りに出かける時期
忌が開けたら、また喪に服しているのであれば16日以降に神社へ出かけましょう。
*初詣の期間については、松の内とする考えもありますが神社本庁の方によると小正月(1月15日)までとする方が多いそうです。
-旧年中の御札・破魔矢など
・地域でどんど焼きがあれば、そこで燃やしてもらいましょう。
・神社には古くなったお札を受け付ける場所があります。
「お焚きあげ」とか「古神札納め所」などと書いてあります。初詣の時期が終わって16日以降に納めに行きましょう。
*半紙に包み、塩を入れたらゴミに出す事もできます。でも、できたら機会を見つけて神社に持っていきましょう。
-新年の破魔矢
破魔矢は縁起物。毎年飾っていたら、忌中だからと言って1年間ないままなのはさびしいですね。
神社が忙しくない前年の内に電話で破魔矢の予約をお願いしておきましょう。忌が開けたら神社にいただきに上がります。
ー厄払い
忌が開けたら出かけましょう。
厄払いを受ける時期についてはいろいろな説がありますが、できれば節分までに。
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お寺への初詣
仏教では死は「穢れ」ではないので忌中でも初詣できます。
新しい年になって初めてお寺にお参りすることですから、忌中でも喪中でも故人への供養になってふさわしい行為といえますね。
自分の家のお寺が除夜の鐘をつかせてくれる所なら、鐘をついてそのままお参りして帰りましょう。
そうでなければ、どのお寺もお正月に開門しているとは限らず、またお参りするには本堂に上がる必要があって初詣には向かないかもしれません。
でも大きなお寺で初詣で有名なところなら大丈夫です。
*厄除け(お寺では厄払いといわず厄除けといいます)は特にやっていないお寺も多いです。
お正月にしなければならないわけではありませんから、忌が開けてから神社に行かれてはいかがでしょう。
終わりに
・忌中は神社への初詣はできない、でもお寺に初詣するのは供養になります。
・喪中なら、神社にも寺にも初詣をすることができます。
喪中だからと、何でも控える必要はないんですね。喪は悲しみの期間。外に出る元気が出てきたら初詣にもお出かけください。
よい年になりますように。
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