身内が亡くなった後のお正月、喪中ですが初詣に行ってもいいんでしょうか。
亡くなって間もなくなら、初詣など考える余裕もありません。でも心が落ち着いてくると、やはり初詣に出かけたくなりますね。
*今年はコロナ対策のため、露店で買った食べ物の食べ歩きはできないなど制限はありますが、新しいまっさらの年を、すがすがしくお迎えください。
「喪中」か「忌中」かによって、初詣できるかどうか変わってきます。
ここでは、
喪中の初詣
:意味と期間~神道で仏教で
忌中の初詣
:意味と期間~神社でお寺で
についてご紹介します。
1喪中の初詣
喪中とは
・個人の気持ちからお祝い事を避ける
・期間は半年~1年
「喪中」は、「故人を悼み悲しんでいる」という意味。
個人の悲しみの期間です。
一般に、自分の父や母、子どもが亡くなった場合は、亡くなられた日(命日)からほぼ1年。亡くなったのが兄弟・祖父母であれば、半年とされます。
一周忌を喪明けとするのが一般的ですが、「慶事が控えている」「年が変わって区切りがよい」といった理由で短縮されることもあります。
喪中の初詣
【神道では】
・・・忌中でなければ初詣してよい*地域の慣例があればそれに従う
【仏教では】
・・・初詣も供養になる
喪中には、お祝い事やお祭りなど、晴れがましい席には出席しないこととされています。
初詣がお祝い事かどうか、迷うところですね。
神社庁によると、
地域に慣例がある場合、その慣例に従うのが適切です。
特に慣例がない場合には、五十日祭までが「忌」の期間、一年祭(一周忌)までを「服」の期間とするのが一般的でしょう。
ですから「忌」の期間である五十日を過ぎれば、原則として神事を再開しても差し支えないと考えられます
ー神社庁
*太字は当方で強調したものです。
初詣は、お祝いではなく、新年の無事と平安を神さまに祈るお参り。
初詣をして、心を新たに、悲しみから回復していけるといいですね。
ただ地域に違う慣例があれば、それに従うようにとのことです。
・・・近隣の方は、必ずしも正しくはご存じないこともあります。神社の方におたずねしましょう。
お寺は、お参りは供養ですから初詣OKです。
2忌中の初詣
「忌中」の意味と期間
身内の方が亡くなって間もない時期、忌中の初詣(参拝)については、神道と仏教で考え方が違います。
神道では、忌中は穢れの期間として参拝を禁じます。一方仏教では、参拝を故人への供養と考え、参拝も奨励します。
忌中
【神道では】
意味・・・穢れの期間(50日間)
初詣・・・清浄な神社に参拝してはならない
【仏教では】
意味・・・故人のために供養する期間(亡くなった日+49日で50日間)
初詣・・・穢れではない。寺に参拝するのは供養になる
1)神社への初詣
神道では、死は穢れ(けがれ)であるとします。
死んだ方が穢れというわけではなく、「死」というものを穢れとするので、身内の人も、忌が明けるまでは神域に入ることができません。
忌中
【神道では】
意味・・・穢れの期間(50日間)
初詣・・・清浄な神社に参拝してはならない
神社本庁によると、
「忌」については
「忌」とは故人の祀りに専念する期間、「服」とは故人への哀悼の気持ちを表す期間のことをいいます。
とし、
「忌中」の期間については
(地域に)特に慣例がない場合には、五十日祭までが「忌」の期間・・・(省略)・・・とするのが一般的でしょう。
「忌」の期間中は、神社への参拝を遠慮しますが、やむを得ない場合には、お祓いを受けるのがよいでしょう。
ー神社庁
としています。
✔神道の50日間の数え方
「五十日祭までが『忌』の期間」とされていますが、神社の「五十日祭」は、亡くなった日から数えて50日目に行われます。
神社への初詣は、50日間が過ぎてからですね。
*これは、仏教では四十九日の次の日、忌明けの日にあたります。
2)お寺への初詣
仏教では、死は「穢れ」ではありません。
忌中でも初詣できます。
忌中
【仏教では】
意味・・・故人のために供養する期間(亡くなった日+49日で50日間)
初詣・・・穢れではない。寺に参拝するのは供養になる
自分の家のお寺が除夜の鐘をつかせてくれる所なら、亡くなった方を思いながら鐘をついていいですね。
まとめ
・忌中は
神社への初詣はできない
お寺に初詣するのは供養になります。
・喪中なら
神社にも寺にも初詣をすることができます。
喪中だからと、何でも控える必要はないんですね。
喪は悲しみの期間。外に出る元気が出てきたら初詣にもお出かけください。
よい年になりますように。