室町時代に権力を掌握した足利義満ゆかりのお寺、金閣寺。
正式な名前は鹿苑寺(ろくおんじ)です。
生前は足利義満の邸宅だった北山亭が、義満の死後、遺言によって鹿苑寺という禅宗のお寺になりました。
鹿苑寺は、禅宗の臨済宗相国寺派で、銀閣寺はお仲間のお寺。住職も、同じ有馬頼底さんです。
銀閣寺にはしぶい魅力がありますが、わかりやすいのは金閣寺。輝いています!
ここでは金閣寺の
・拝観時間と拝観料
・見学の所要時間
・見どころと体験時間
についてご紹介します。
拝観時間と拝観料・所要時間
1)拝観時間
金閣寺境内には開門時間中だけしか入ることができません。そこで拝観時間は開門時間になります。
9時~17時
閉門は17時。16時半でもいれてもらえますが、急いで見学になります。16時頃までに入場できたらいいですね。
2)拝観料
・大人(高校生以上)400円
・小・中学生 300円
金閣寺の入場券はお札。お札を買ったら入場が許可されるという形になっています。
「金閣舎利殿御守護」に
・大人用:開運招福・家内安全
・学生用:少し小さめ、学業成就と交通安全

出典:古墳のある町並みから
✔お札のまつり方
・お札は持ち帰って柱など高いところにお札の正面が東か南を向くようにのりではります。本棚などにたてかけても構いません。
・お札がいらない人のためには、不要なお札の回収箱が置いてあります。
3)参拝所要時間
コース通りにさらっと回って50分くらい。急いでも40分はかかります。
*順路が決まっているので見どころは省略できません。
鐘をついたり写真をとったり、お守り、おみくじ、抹茶を体験するなら1時間半ほどみておきましょう。
*写経をするならプラス15分くらい。
見どころと体験時間
金閣寺は人気の観光地。修学旅行生や外国人旅行客も多いです。
でも、通路も境内も広いので他の観光客に押されながら見学するということはありません。
見逃せない見所と、体験時間をご紹介します。
図の現在地から総門を通り順路に従って進みます。
1)鐘楼:鐘を打つ
総門を入ってすぐ左手に鐘楼(しょうろう)があります。この梵鐘は鎌倉時代に鋳造されたもの。
梵鐘を打てるのは
・土・日。9時から16時30分まで
・料金は200円
人が並んでいても所要時間が30秒ほど。待ち時間は長くありません。
2)庫裏(くり):写経

By 663highland (663highland) [GFDL, CC-BY-SA-3.0 or CC BY 2.5], via Wikimedia Commons
ここで写経ができます。*庫裏は、昭和時代までは僧侶が生活する僧堂で厨房も兼ねていました。
時間があったらいかがですか。不思議に心が落ち着きます。
・受付 9時~16時
・料金 千円
・所要時間 15分~60分
四弘請願文:15分
延命十句観音経:20分
般若心経:60分
3)陸舟の松:見立て
「陸舟(りくしゅう)の松」は足利義満が自分が育てていた盆栽の松を植えたもの。樹齢は600年以上です。
白い砂が海に、緑の松が極楽浄土へ向かう帆かけ舟に見立てられています。
そういわれれば…。確認なさってみてください。

葛飾北斎
4)舎利殿(金閣)
金閣舎利殿を楽しむスポットは3ヶ所あります。
いい場所をみつけて写真を撮るのに、全部で5~10分プラス。
ほかの観光客が多いと時間がかかります。
舎利殿のおすすめ3スポット
1)参拝門を抜けてすぐ
2)舎利殿の裏から池や庭園
3)夕佳亭でもう1度
撮影スポット
1)参拝門を抜けてすぐ
参拝門を抜けるといきなり金閣が。*陸舟の松より先に見えます。
金閣舎利殿の写真を撮るならここから。一番きれいにとれるスポットには人が並んでいます。
逆さ金閣が撮れるかな?
舎利殿の前の池は鏡湖池(きょうこち)。舎利殿を鏡のように映す池という意味です。ここに映るのが逆さ金閣。
逆さ金閣が湖面に写るのは天気がよくて風がない日。いい写真がとれるといいですね。
Q舎利殿の一階だけ金箔じゃないわけ
舎利殿は一階:寝殿造り、二階:武家造り、三階:禅宗仏殿造り。二階には外側に三階は中にも外にも金箔がはられています。
でも一階はそのままですね。何故でしょう?
これは足利義満が自らの権威、武士の優位性を示すためにしたことと考えられています。
一階の寝殿造りは平安時代からの貴族の住宅の建築様式。
そこに金箔をはらないばかりか、三層の造りも一番下が貴族の寝殿造り。
その上に武家造りを重ね、一番上に仏の世界、禅宗様式を重ねました。
足利義満は南北朝の対立を終わらせ有力な守護大名をおさえて権力を掌握した室町幕府の三代将軍。
貴族より武家が上だという意味を込めたそうですよ。
そう思ってみると舎利殿がまた面白く見えますね。
↓さらに寺社も支配するために出家したといわれる足利義満
Q2階・3階はどうなってるの?
1階は、扉が開いていて見ることができます。
でも住職や寺務局の人も滅多に入れないという金閣寺2階・3階。どうなっているんでしょう。
・三階は仏の世界、天井も壁も金箔で床が黒漆
床の黒漆に窓の外の空や天井の金箔が写ってとても美しいらしいです。中を見ることはできませんが写真は見ることができますよ。
↓3Dで創作された内部(一部推測)
撮影スポット
2)舎利殿の裏から、池や庭園
義満が整備した池泉回遊式(ちせんかいゆうしき)の庭園。池を中心において庭を回って楽しむように作られました。
大きな鏡湖池には芦原島、鶴島、亀島などの小さな島や岩がおかれ、面白い松が植えられています。
*岩は、当時の有力な守護大名畠山氏、細川氏などが奉納したもの。畠山石とか細川石とか名前がついています。
池は舎利殿から見て美しいように作られています。松がぽよぽよと生えた島など面白いものがありますよ。
撮影スポット
3)夕佳亭でもう1度
こちらは、ずっと登ったところにある茶室「夕佳亭」。ルートのもっと後になります。
✔お守りを買おう
金閣寺を通り過ぎた先に、お守り授与所があります。八角形の風水お守りや交通安全のキティちゃんお守りなどおみやげに。
*ルート最後の不動堂を過ぎた御朱印所でも同じお守りを買うことができます。
5)銀河泉・厳下水・龍門の瀧
足利義満がお茶の水に使ったと言われる銀河泉(ぎんがせん)、手を洗ったと言われる厳下水(がんかすい)が続きます。
・・・どちらも今は飲んだり手を洗うことはできません。
↑龍門の瀧(りゅうもん のたき)では、小さな瀧に、鯉の滝登りにちなんで鯉魚石(りぎょせき)が置かれています。
鯉が龍になって跳ね上がろうとするところという見立てです。
6)道祖神・お地蔵様:お賽銭
さらに進むと道祖神やお地蔵様が7体ほど並んでいます。
真ん中の賽銭入れには、みんながお金を投げ入れていますが、ちょっと離れているのでなかなかうまく入らず回りには小銭が散らばって…。
投げるときは仏像に当たらないよう気をつけましょう。
7)安民沢(あんみんたく)
・白蛇塚
安民沢(あんみんたく)はとても静かで穏やかなところ。五重の塔をチェックしましょう。
白蛇塚という五重の塔は、金閣寺のもともとの所有者、西園寺家の鎮守(守り神)と伝えられています。
白蛇は縁起のいい生き物。富をもたらすと信じられていました。
つい、手を合わせたくなりますね。
水の神様でもあり、ここで雨乞いも行われていました。高い場所にあるのに水が枯れたことはないそうです。
8)夕佳亭:写真!
「夕佳亭(せっかてい)」は、江戸時代に作られた数寄屋造りの茶室。「夕日に映える金閣が佳い(よい)」という意味で名付けられました。
最後の金閣舎利殿撮影スポットです。
脇は崖になっていて、金閣舎利殿を木の葉越しに見下ろすことができます。
紅葉や桜、緑の向こうで金閣がさらに美しく見えます。
9)不動堂:おみくじ

By そらみみ [CC BY-SA 3.0 ], from Wikimedia Commons
でも、凶は「これから運が開けていく」ものが多いです。
運試しにぜひ!
テントがあって一字写経もすることができます。一文字100円。5分くらい。
10)不動窯茶所
:抹茶とお菓子
最後に抹茶はいかがですか。お菓子はここでしか食べられない「金箔」のついた落雁(らくがん)です。
料金:500円
10分程度。
・金閣寺公式サイト
まとめ
金閣寺は敷地が広く、順路が決まっています。
メインの舎利殿だけでなく、鐘をついたり、お抹茶をいただいたりの時間もとりたいですね。写真もしっかり撮らなきゃ。
気に入ったところには少し時間をかけて、よいお参りになりますように。