2019年 「夏の暑さ」まとめ!低温の7月から高温の9月へ。 暖かい秋つづく

2019年は、夏が遅れて始まり(7月下旬~)、秋(10月上旬)まで夏がずれ込んだ感じでした。

 

・2020年「夏の暑さ」はこちら

 

ここでは、2019年夏の暑さについて、

・「夏の暑さ」まとめ
・「災害をもたらした気象事例」

についてご紹介します。

2019「夏の暑さ」まとめ

気象庁の区分では、夏は6月~8月です。

2019年は、前後の5月・9月も、平年より「かなり」高温になりました。

5月:かなり高温
6月:平年並み
7月:低温、日照不足
8月:東日本はかなり高温
9月:かなり高温

 

5月:「かなり」高かった

5月は初夏。ほぼ全国が、平年より1℃以上気温が高くなりました。特に北日本は、平年より2℃以上、北海道のオホーツク海側などは3℃以上高温でした。

↓左から4月、5月、6月。

 

6月:平年並み

6月は、中旬は気温が下がりましたが、平均すると、

北日本は、平年より高く、
・他の地域は、平年並み

でした。

 

7月、世界は高温だった

7月は世界的には、過去最高の高温となりました。

アメリカ海洋大気庁(NOAA)によると、1880年に観測を開始して以来、過去140年間で最高の約16.73℃。(NOAAの和名「庁」は、気象庁の表記によっています)

*16℃台って、ちっとも高温じゃなさそうですが、北極・南極も入った地球全体の平均気温です。南半球は、7月は冬ですね。

北極も南極も、氷の面積が小さくなって、北極は史上最小、南極も41年ぶりの小ささになってしまいました。

「高温の7月」ベスト10のうち、9つは、2005年以降に起きているそうです。

おまけに、世界の平均気温は、この415カ月つづけて、平年気温より高いとのこと。*平年気温の基準となる期間は、10年毎に新しいものに変わります。

もう34年以上です…。

 

7月:日本は涼しく、晴れず

平均気温:低かった

今年は梅雨明けが遅れ、晴れの日も少なく、梅雨明けころまで低温でした。

東・西日本は、平年より低温でした。特に東日本12年ぶりの気温の低さ。

東京は、中旬は特に涼しく、平年より3.0℃も低くなりました。一方、北日本は、平年より高くなりました。

7月だけを切り取れば、東・西日本は冷夏でした。

*気象庁では、夏の3カ月の平均気温が平年より低いときに「冷夏」とします。

 

東・西日本太平洋側
:降水量、かなり多かった

 

日照は不足

日照時間は、北海道の日本海側、北陸、山陰は平年並み。東北の日本海側は平年より多くなりました。

他の地域はすべて平年より少なく、特に関東甲信は、平年の58%、東海は60%でした。

↓黒の濃い部分:平年の40%以下

東京も名古屋も、1日から20日までで、昼間に一時的にでも晴れたのは、2日間だけでした。

 

前半は低温、下旬は猛暑

7月は20日ころまで、涼しく日照不足でしたが、梅雨明け後は猛暑となりました。

 

8月:東日本は「かなり」高温

月の前半を中心に高気圧に覆われて、晴れて厳しい暑さの日が多かった東日本では、月平均気温がかなり高くなりました。

 

9月:「かなり」高温

気温:かなり高かった

東京名古屋を含む、濃いオレンジの地域は、平年より2℃以上高くなりました。

大阪市は、かろうじて平年より1℃以上高い、薄いオレンジ色になっています。

 

降水量:少なかった

茶色の部分、東北北部中部日本を中心とする地域は、平年の40%以下でした。

 

9月の猛暑日・熱帯夜

9月上旬は、2010年以来の高温。猛暑日や熱帯夜があり、8月下旬より、最高気温が2~3℃高い残暑となりました。

 

・「熱帯夜」(最低25℃以上)は、東京3日、名古屋6日、大阪6日。

・「猛暑日」(最高35℃以上)が、東京2日、名古屋4日、大阪4日。

・「真夏日」(最高30℃以上35℃未満)は、東京10日、名古屋17日、大阪17日。

 

東京12日間が30℃以上の暑さ。

名古屋・大阪21日間、月の2/3が30℃以上の暑さでした。

 

9月に25℃未満だった日(猛暑日、真夏日、夏日でなかった日)は、東京で3日間、名古屋・大阪では1日だけ。

ほかは全部、25℃以上でした。

25℃以上は夏日。9月は気温としては「夏」でした。

 

台風で大荒れ

8日~9日の台風15号では、東日本太平洋側を中心に、記録的な暴風になりました。

2019猛暑日・熱帯夜 日数

2019猛暑日まとめ

猛暑日
東京:12日
名古屋:20日
大阪:19日

最高気温35℃以上の猛暑日。

8月下旬は、真夏日(30℃以上)で過ごせましたが、9月に入って高温に。東京でも猛暑日がありました。

気温の高さでは名古屋が高く、8月13日に38.0℃になりました。

 

2019の熱帯夜まとめ

熱帯夜
東京:28日間(7/26~8/19、9/1、8、10)
名古屋:33日間(7/21・25、7/29~8/22、9/3、8~11,16)
大阪:37日間(7/21、24~26、7/28~8/22、29、9/3、9/7~11)

三都市とも、7月末からずっと熱帯がつづきました。

東京は、2014年、観測点が大手町から北の丸公園に変わっています。

緑の多い公園での気温はビル街より低く、熱帯夜の数も、人々の実感よりは少なくなっている可能性があります。

 

熱中症」の搬送者数は8/5~8/11の1週間で、12,751人。次の週、8/12~8/18では7,338人と減りました。

消防庁熱中症情報

7/29~8/4がいちばん多くて18,347人でした。

「災害をもたらした気象事例」

気象庁は、「顕著な災害を起こした自然現象について名称を定める」ことにしています。

2019年夏~秋には、9月下旬の九州北部の大雨、10月中旬の台風19号に名前がつけられました。

令和元年8月前線による大雨

前線による大雨(速報)

8月26日~8月29日
九州北部地方を中心に記録的な大雨。

当時は、対馬海峡に秋雨前線が停滞していました。

ここに、太平洋高気圧や、フィリピンにあった台風12号などから暖かく湿った空気が流れ込み、大気はさらに不安定に。

積乱雲(雨雲)が同じ場所で次々に発生する、「線状降水帯」が生まれました。

 

佐賀県を中心に「観測記録を更新する記録的な大雨」となり、佐賀市では、1時間に110mmの雨が降りました。

*1時間に110㎜の雨…ひっくり返したバケツから、水が落ち続ける感じです。

・死者4人
・大町町の工場から大量の油が流出

台風19号

台風第19号による大雨、暴風等

10月10日~10月13日
記録的な大雨、暴風、高波、高潮。

台風19号は日本の南海上、海面水温が30℃と高いところで、急激に発達(「急速強化」)。

日本近海も27℃と高温だったため、勢力を維持しました。

 

台風は、太平洋高気圧のふちを回って進みます。

今年2019年は10月に入っても、太平洋高気圧が平年より日本近くに張り出していました。

台風19号は関東に上陸。9月に多いルート(上陸)に近くなりました。

被害は甚大で、1977年の沖永良部台風以来はじめて、気象庁による台風の命名がなされる見込みです。*2020年5月ころ

・死者・行方不明者 92人*10/21現在
・堤防の決壊 71河川(荒川、多摩川、千曲川、阿武隈川など)

 

まとめ

2019年6月は平年並み。7月は低温で日照不足でした。*この時期、世界は過去最高の高温。7月終わりころから猛暑となり、8月には「熱帯夜」がつづき「猛暑日」も増えました。

春に区分される5月、秋の9月も、全国的に「かなりの高温」になりました。10月も13日ころまで「夏日」が多く、台風19号の後、ようやく秋らしい気温に下がりました。

台風15号による停電、19号による浸水などの被害は大きく、今後も、強力な台風が接近する可能性が心配されています。