2020年「夏の暑さ」まとめ|梅雨寒の7月、記録的猛暑の8月

昨年と同じく、今年2020年も7月は低温。大雨が降って、梅雨明けも遅れました。

8月は一気に真夏へ。太平洋高気圧、チベット高気圧が張り出して猛暑となりました。

ここでは、2020年「夏の暑さ」についてまとめています。

2020年夏の暑さ

気象庁によるまとめ「夏(6~8月)の天候」によると、

7月:全国各地で大雨

・全国的に気温は高く、東日本と沖縄・奄美ではかなり高かった

・東日本日本海側と沖縄・奄美では日照時間が少なかった

 

1)全国的に高温

(1)夏(6~8月)の平均では

6~8月の平均では、全国的に気温が高くなりました。

東北関東甲信東海など、濃いオレンジ色の部分は、平年より1℃以上高くなっています。

薄いオレンジの地域は、+0.5℃以上。

(2)月ごとにみると

6月暑く、7月は涼しく冷夏ぎみ。*実際に冷夏となるのは夏全体の平均が平年より低かったとき。

8月は全国的に高く、特に東・西日本は記録的な猛暑でした。

月ごとの気温

6月:全国的に「かなり高かった」
7月:東日本の気温は「低く」、西日本は「かなり低かった
8月:東・西日本は「記録的な高温

8月の高温は9月に入っても続き、9月の平均気温は、北日本・東日本で「かなり高く」、西日本で「高く」なりました。

2)8月、厳しい暑さ

(1)記録的高温

東日本は、1946年の統計開始以降で、8月としては第1位の高温。西日本は、第1位タイの高温でした。

濃いオレンジの地域は、平年より2℃以上、平均気温が高くなりました↓

東日本は、地域全体で平年より2.1℃高くなっています。西日本は全体で1.7℃高く、東日本ほどではありません。

が、近畿も、関東甲信・東海と同じくらい暑くなっていました。

8月平年との気温差(平均気温)

関東甲信 +2.2
東海 +2.2
近畿 +2.1

 

*平年値は、1981~2010年の平均です。次に平年が改定されるときは、数値が上がるかもしれませんね。

(2)最高気温も高かった

昼間の、一番暑いさかりの気温)はどうだったでしょう。

8月の日最高気温平均

東京
:平年30.8℃。2020年は34.1℃。
名古屋
:平年32.8℃。2020年は35.9℃。
大阪
:平年33.4℃。2020年は35.7℃。

名古屋と大阪は、最高気温の平均が35℃以上ってあんまりですね。平均が、猛暑日です。*猛暑日:日最高気温が35℃以上。

平均すると、名古屋が、三都市では一番高温でした。

 

2020年で一番暑かった日は、8月立秋の後でした。

2020年最高の最高気温は

東京37.3℃(8/11)
名古屋38.2℃(8/16)
大阪38.6℃(8/21)

(3)最低気温も熱帯夜

最低気温の平均は、25℃以上でした。25℃以上は熱帯夜です。

8月最低気温の平均

東京:25.3
名古屋:26.5
大阪:27.1

 

3)猛暑日、熱帯夜の日数

(1)猛暑日の日数

日最高気温が35℃以上になる猛暑日。ほぼ8月ですが、9月上旬にもありました。

7月にはありません。

猛暑日の日数

東京
8月:11日間、9月:1日間(9/4が最後)

名古屋

8月:22日間、9月:2日間(9/5が最後)

大阪
8月:20日間、9月:2日間(9/5が最後)

 

(2)熱帯夜の日数

東京では、8月の2/3が熱帯夜。名古屋や大阪は、8月のほとんどが熱帯夜でした。

東京
7月:1日間(7/7)
8月:19日間
9月:7日間(9/18が最後)

名古屋
7月:4日間(7/11が最初)
8月:27日間
9月:5日間(9/8が最後)

大阪
6月:1日間(6/26が最初)
7月:9日間
8月:30日間
9月:7日間(9/8が最後)

大阪の、1か月の内、30日間が熱帯夜というのは、悲しいです…。

✔熱中症も多かった

2020年の6月~9月に、熱中症で救急搬送されたのは、64,869人。自宅での発症がいちばん多くて、年齢層は高齢者が最多です。*2020年に亡くなったのは、1,433人。

それでも、2018年の 9,5137人よりは少なくなりました。*2018年に亡くなったのは、1,581人。

2018年は、東日本の夏(6~8月)は、統計開始以降最高の高温(平年より1.7℃高かった)でした。夏3カ月の平均が記録的に高温だったんですね。

*2020年の夏3カ月平均は、平年+1.1℃。

 

(3)夏日・真夏日の、始まりと終わり

夏日は、4月終わりから

夏日は、4月末、GWのころに始まりました。

夏日(最高気温25℃以上)

東京
最初:5/1、最後:10/13
名古屋
最初:4/30、最後:10/15
大阪
最初:5/1、最後:11/19

大阪は、11月19日に夏日(26.6℃)がありましたが、この日は名古屋も東京も24.9℃。暖かい日でした。

真夏日は

東京は、8月中は、毎日、真夏日(または猛暑日)。

最高気温が30℃にならなかったのは、9月11日までは、2日間だけでした。

真夏日(最高気温30℃以上)

東京
最初:6/9、最後:9/18
名古屋
最初:5/2、最後:9/24
大阪
最初:6/4、最後:9/23

 

夏の後半、暑かった理由

夏の後半(梅雨明け~8月)は

・全球的に気温が高い状態が続いている
・太平洋高気圧が、平年より北に張り出す
・チベット高気圧の日本への張り出しが、やや強い

1)全球的に高温

地球全体の平均気温は、上がったり下がったりを繰り返しながらも、上昇しています。(100年で0.75℃)

2014年から2020年が、過去の平均気温上位の7番目までを占めていて、近年は、ずっと高温がつづいています。

2)太平洋高気圧の張り出し

下の図は、6~8月の予想として出された図です。右側、い部分が、夏後半の太平洋高気圧です。

赤い点線が、平年の太平洋高気圧の位置。

2020年は、偏西風が平年より北を流れます。暖かい太平洋高気圧が、南から、日本に張り出しています。

3)チベット高気圧も張り出す

さらに、

夏の後半は、上空にあるチベット高気圧の日本付近への張り出しやや強く、偏西風は日本付近で平年よりやや北を流れる見込みです。-気象庁

とのこと。

このチベット高気圧も、日本を暑くします。

大陸から日本に張り出してきて、もし、チベット高気圧の一部が太平洋高気圧と重なると、日本は暖かい布団2枚重ねた状態に。

2018年は、この状態になって、7月は酷暑。記録的な高温となりました。

→2020年8月11日も、重なりました。1240人以上が熱中症で搬送されました。

 

秋の気配

三重県の津や長野では、8/3 えんまこおろぎが初鳴きしました。

あきあかねは、8/26 山形で、9/15 金沢や仙台で初見されています。

9月の平均気温も、北・東日本でかなり高くなり、西日本も高くなりました。

10月には、東・西日本はほぼ平年並みとなりました。*北日本は、平年より高い状態が続きました。

 

まとめ

2020年の夏は梅雨明けころから、太平洋高気圧の日本への張り出しとチベット高気圧の張り出しによって、猛暑を迎えました。

コロナのもと、初めて体験する夏の暑さでした。

9月まで全国的に高温でしたが、東・西日本は10月には平年並みの気温になりました。