「立秋」2023はいつ、どんな意味?こんなに暑いのに秋!

「暦の上では秋ですが」...暑いですね!

今日8月8日は立秋。

こんなに暑いのに秋? 何かの間違いでは?

実は立秋の日のころ、夏の暑さは全盛期

ここでは、暑い盛りに私たち日本人を怒らせる「立秋」について

・立秋の日にち
・意味と由来
・食べものや行事

をご紹介します。

立秋はいつ

立秋は17日間ほどの期間ですが、最初の日だけを立秋ということが多いです。

2023年は、
日にち:8月8日
*毎年8月7日か8日
期間:8月8日~22日まで
(立秋の日から次の季節の区分「処暑」の前日まで)

 

立秋の後に、処暑が来ます。処暑は8月23日。「暑さがおさまる」という意味です。

 

意味と由来

1立秋の意味

『暦便覧』によると

「初めて秋の気立つがゆゑなれば也」

初めて秋の気が立つというと、秋の気配を感じることかなと思いますね。

でもこれは「夏の暑さが極まって、初めて秋の気配が立ち始める」ということ。

1)秋の気配

ー1えんまこおろぎの初鳴き

秋の気配が立つことは、冷夏でもなければなさそうですが、実は秋の虫、こおろぎは、このころから鳴き始めます。

ー2うろこ雲

ときどき、うろこ雲も見られるようになります。すぐに、夏らしい入道雲にもどったりするのですが。

ー3日照時間、短くなる

昼の長さは、夏至のころに最長になり、だんだんと短くなっていきます。

東京では、夏至には、14時間35分だった昼の時間が、立秋には13時間47分に。50分ほど短くなっています。

まだ、気温は高いのですが、夜明けが遅くなり、日の入りが早くなっています。

・・・立秋の日の入りは、まだ夕方6時40分頃ですが、1カ月後の9月7日には、6時に日が沈みます。

秋の気配が、少し…。

 

2)立秋の日、暑さは全盛期

昼が短くなって、日照時間が減っても、まだ日中の気温は高く、立秋のころに、気温は1年で一番高くなります。

1年で一番暑いのは8月初めから立秋のころまで。

そして立秋を過ぎるころから、気温は、ほんの少しずつ下がっていきます。

 

東京の最高気温は、新しい平年値では、8月3日から9日まで31.8℃。*旧平年値では、8月1日から9日までの31.1℃が1年で最高でした。

 

立秋をすぎたころからわずかに気温は下がって、8月末には30.1℃に(旧平年値は30.0℃)。1カ月で1.7℃下がります。

さわやかな秋は、まだまだ先ですね。

・秋はいつから暦で気象庁で体感で

 

2立秋の由来

立秋は、中国伝来の季節の区分「二十四節気(にじゅうしせっき)」による秋の始まりです。

二十四節気は太陽の高さに応じて1年を24の季節に分けたもので、日本の旧暦の暦にも書かれていました。

*例)立春、夏至、秋分、冬至など

旧暦は太陰太陽暦。二十四節気は太陽暦の部分なので、旧暦におきかえて考え直す必要はありません。

立秋は今も昔も、暑い盛りでした。

✔立秋の3候

二十四節気をさらに72の季節に分けた七十二候では、立秋は次の三候からなっています。

手紙や文書で「立秋の候」は、この三候の期間にわたって使うことができます。

【初候】8/8~12ころ
涼風至(すづかぜいたる)
: 涼しい風が立ち始める

【次候】8/13~17ころ
寒蝉鳴(ひぐらしなく)
:ヒグラシが鳴き始める

ヒグラシの「カナカナ」という物悲しい鳴き声は夏の終わりにぴったり。7月下旬から鳴き始めていますが、このころに特に耳につくような…。

【末候】8/18ころ~8/22
蒙霧升降(ふかききりまとう)
: 深い霧がたちこめる

霧は秋の季語。昼と夜の寒暖の差が激しくなって発生します。

 

食べものや行事

立秋の風習は特に残っていません。

この後にくる「お盆(旧暦)」は重要な行事。また、8月下旬~9月の「二百十日」ころは、稲穂が台風にやられる心配がある、注意すべき節目。

でも、立秋のころは、特に大切な季節の節目ではなかったのかもしれませんね。

 

これからは「残暑見舞い

暦の上で夏は終わったので、「暑中見舞」いも、立秋の日から「残暑見舞」に変わります。

俳句の季語として

俳句の世界では、秋は、立秋から立冬の前日まで。

夏から秋への季節の境い目である立秋は、「秋立つ」など季語として大切にされます。

-秋の気配を愛でる句

「立秋の風に 首振る 猫じやらし」

-山口トシ

猫じゃらし(エノコログサ)。

夏の終わりに、よく目にとまりますが、8月には、もう穂が出て風に揺れています。

 

-暑さに怒る?あきれる

「そよりともせいで 秋たつ事かいの」

鬼貫

風なんか「そより」とも吹かなくて…立秋かよ!^^

江戸時代の俳人 上島 鬼貫(おにつら)の句です。

 

鶴岡八幡宮:立秋のお祭り

鎌倉の鶴岡八幡宮では、立秋の前日から9日まで境内にぼんぼりが灯され「ぼんぼり祭」が行われます。

立秋の前日に、夏の邪気をはらう神事「夏越祭(なごしさい)」が、立秋の日には鈴虫を奉納する「立秋祭」が行われます。

まとめ

立秋は、夏が極まって、秋の気配がたち始めるとき。

立秋を過ぎるころには、夏の最盛期はほぼ終わり。残暑はまだまだ続きますが、熱帯夜も減り、ほんの少しずつ気温は下がっていきます。

秋までもうしばらく。お元気でお過ごしください。