放射冷却とは!意味と仕組みをわかりやすく!

秋本番から冬、天気予報などでよく耳にする「放射冷却」現象。

いかにも冷たく寒くなりそうですね。どんな意味なのでしょう。

 

ここでは、放射冷却について

・意味と仕組み
・熱の放射とは
・放射冷却が起きやすい天気

などについてわかりやすくご紹介します。

放射冷却とは

夜は、昼間よりも気温が下がって、涼しく寒くなりますね。

これが放射冷却。

1年中起こっている現象です。

意味と仕組み

放射冷却とは、

夜になって、地面が熱の放射で冷たくなること。

地面が冷たくなると、
地面に接している空気も冷やされて、気温が下がる。

 

物体は、すべて、その温度に応じた熱を放射しています。

昼間は、太陽から熱が放射され、地面があたためられます。あたためられた地面も、熱を放射しますが、太陽の熱が大きいので、気温が上がります。

夜は、太陽からの熱がなくなりますが、地面からの熱の放射はつづき、気温は下がります。

には、もともとあまり暖まっていない地面が、夜も熱を放射するので、地面の温度はさらに下がります。

接している空気の温度もさらに下がって「放射冷却で冷え込み」ます。

 

熱の放射とは

手のひらを手首の上にかざしてみましょう。3cmくらい離れていても暖かく感じますね。

これは手が熱を放射しているから。手のひらの熱は、さわっていないのに直接手首に伝わっています。

 

このように、物はすべて熱を放射していて、離れたところのものを直接暖めます。

・太陽も熱を放射
1億4千9百万キロのかなたから地球を暖めます。
・ストーブも熱を放射
さわらなくても!暖かい。
・地面も熱を放射

 

地面が気温を決める

太陽の熱は、大部分が地表吸収されて、地面を暖めます。

日が差すと空気が暖まって気温が上がるのではなくて、地面が暖まってそれが空気に伝わって気温が上がるという仕組み。

気温を決めるのは、地面の温度です。

夜に冷却するわけ

地面は、昼も夜も熱を放射しているのですが、

昼間は

太陽からの熱放射のパワーが強いので、太陽の熱が地面を暖めています。

 

夜は

太陽からの熱はなくなりますが、地面から熱は宇宙へ逃げていきます(放射)。


そこで地面の温度は下がり、地面と接している空気の温度も下がって、明け方が一番気温が低くなります(放射冷却)。

 

地面が気温を決めている

空気は温まりにくいので、夏の日中には、地面に近い方が温度が高くなっています。

夏に、散歩中の犬が、熱中症になりやすいのはこのため。

冬の夜はその逆。地面に近いほど温度は低くなります。

お花見で、夜桜を見ながらの宴会。ブルーシートを敷いて座ったらとっても寒いですよね。

 

これも放射冷却。地面近くは、天気予報での気温(1.5mの高さの気温)より5℃ほど低くなることもあります。

 

放射冷却が起こりやすい天気

放射冷却現象で冷え込むのは、晴れて、風が弱いとき。

 

1)晴れた夜

晴れた夜ほど明け方は冷え込みます。雲があるとそうまで寒くなりません。

空に雲があったら、地面から放射された熱が雲に吸収されます。

雲は、その熱の一部を地表に向けて放射。地表は少し暖められて、気温がひどく下がることはありません。

でも晴れたら、熱はそのまま宇宙へ。

 

2)風が弱い

え!「風が強い」の間違いじゃないの?実は、風がない方が寒くなるんですね。

これは、風が上空の暖かい空気を運んで来て、空気が入り混じるから。

地面はたくさんの空気を冷やさなければならなくなって、気温はあまり下がりません。

 

終わりに

放射冷却で冷え込みがきつくなるのは、晴れ秋・冬の夜明け

太平洋側は晴れる日が多く、放射冷却で冷え込むことも多くなります。

朝早い通勤・通学は寒さがこたえますね。しっかりマフラーにくるまって、防寒しましょう!