ふつうの神社は二礼二拍手一礼。
でも出雲大社への参り方は違います。
せっかくの出雲への旅。正しい参拝作法で縁結びのご利益をゲットしましょう。ていねいな参り方がポイントです。
ここでは
出雲大社への参拝作法
・ていねいなお参りでご縁をゲット
・参拝前、参拝で清める
・二拝四拍手一拝、願い事をするのはいつ?
・摂社にも敬意
についてご紹介します。
ていねいにお参り
ていねいなお参りをおすすめするのは、私たちの心がととのいやすいからです。
1)平静な落ち着いた心がベスト
私たちの心は感情でいっぱい。感情こそが私だ!と言ってもいいくらいです。
人と人を結び付けたり人生を豊かにするのも感情ですね。
でも、神社の参拝には向きません。
神道の神さまは平静な心がお好み。
それに落ち着いた心の方が願い事もかないやすいようです。
・・・自分の心が落ち着くと、感情にかられて間違った判断をしないですみますし、新しいご縁、出会いや変化を受け入れるゆとりも生まれます。
出雲大社では、平静な落ち着いた心でお参りしてよいご縁をいただきましょう。
2)平静を保つポイント
バスに乗り遅れた、一緒に旅行している友達とけんかしたなどもやもやがあって心が落ち着かない時には、こんな対策が効果的。
-1作法に集中
何かに集中して雑念を払うのは禅のやり方。考案や風の音などに意識を集中させるそうです。
作法にていねいに従ってみられませんか。
「ここで頭を下げる」「上げる」とか意識が作法に集中すると、他の事を考えられませんね。
-2ほかの人の幸せを祈る
神社での願い事といえば自分や家族のことばかりになりがちです。
でも、神さまは我欲はお好きでないそうです。
まずは今の健康や生活を感謝して、他の人たちの幸せや成功もお祈りしましょう。
他の人たちの幸せを祈ると不思議に自分の心も落ち着きます。*神さまの幸せも祈ってあげるといいようですよ。
参拝前に
神道の神さまは「清浄」なもの。神さまをお祭りする神社には「清らかさ」が求められます。
・心の清浄:平静な気持ちで
・体の清浄:清潔な体と服で
✔清浄な服装で
・清潔なものを身に着けよう
・くだけ過ぎずきれいな着方で
ジーンズやTシャツで大丈夫です。
でも神さまにご挨拶するので、きちんときれいに着ましょう。
白は清らかさの象徴です。
白地のシャツやセーター、スカーフやアイロンがぴしっとかかったハンカチ、白地のスニーカーなどお持ちのものをプラスしましょう。
参り方
1)鳥居と参道の作法
出雲大社の聖域は木の鳥居(二の鳥居)から始まります。
▶出雲大社公式サイトのMAPをご参考に。
・鳥居の前で一礼しましょう。
・参道は両端を歩きます。
参道の真ん中は神さまの通り道。
人は左右の端の方を歩くのが作法とされています。
↑松の参道は松の根の保護のため中央には柵が置かれています。
2)祓社で清める
祓社(はらえのやしろ)はお参りすることで心身を祓い清めてもらえるお社。
ここは必ずお参りしましょう。
木の鳥居(二の鳥居)を入って約100m。右手にあります。
*出雲大社駐車場からそのまま銅の鳥居に入ってお参りする人向けに、駐車場前の神楽殿にもう一つ祓社が設けられています。
お参りの仕方は後で出てくる二拝四拍手一拝です。
3)手水舎で清める
参道をまっすぐ進み、拝殿手前の銅の鳥居が見えてくると左手に手水舎(ちょうずや、てみずや)があります。*駐車場から進むと右手。
手水は、禊(みそぎ)を簡単にしたもの。清らかな水で罪や穢れ(けがれ)を洗い流してしまいましょう。
手水の作法
↓
右手で水をくんで
左手→右手→口→左手→ひしゃくの順に清めます
↓
手水舎に一礼
↓こちらは東京都神社庁の映像ですが、出雲大社もこれと同じやり方です。
✔ハンカチをお忘れなく
4)拝殿での参り方
手水で心身を清めたらいよいよ銅の鳥居を通って拝殿へ。
拝殿で参拝、裏手に回って本殿の入り口にあたる八脚門からまたお参りします。*出雲大社の社はすべてこの参り方です。
1軽く一礼
2お賽銭を入れる
3二拝四拍手一拝
4軽く一礼
-1お賽銭はていねいに
拝殿の前に立ったら軽く一礼、お賽銭をていねいに賽銭箱に入れましょう。
・・・賽銭はもともと願い事がかなったお礼に差し上げるもの。
人でいっぱいの初詣では投げるしかありませんが、ふつうのお参りでは心を込めて入れましょう。
金額はいくらでも構いません。縁結びなので5円、25円、500円などご縁にこだわるのもいいですね。
でも大切なお願いなら、500円、千円をさしあげましょう。やっぱり、25円で良縁を祈るのは、神様に「ちょっと図々しやつ」と思われるかも^^
✔しめ縄にお賽銭はダメ
拝殿や神楽殿のしめ縄にお賽銭ががささると縁起がいいと言われています。
でも出雲大社によるとしめ縄は結界。そこにお賽銭を投げるのは神さまに失礼にあたるそうです。
-2「二拝四拍手一拝」のやり方
二拝・四拍手・一拝
1)深くおじぎ(一拝目)
2)深くおじぎ(二拝目)*願い事を祈念
3)四拍手
4)深くおじぎ(一拝)
(1)「礼」は「拝」
本来は拝。ふつうの礼ではなくて体を直角に曲げる90度のおじぎです。
そういえば、神主さんや巫女さんは90度のおじぎをしています。
90度はちょっと恥ずかしい気がしますが、途中で一度止めてから深くお辞儀すると自然できれいです。ていねいな動きなので願い事もゆっくり念じられます。
(2)願い事は二拝目で
ふつう、柏手を打ってからお祈りしませんか? 柏手で神さまを呼び出すのだといいますね。
でも、出雲大社東京分祠による出雲大社への拝礼作法によると
二回目のおじぎの時に願い事を祈願
することになっています。
▶参考:出雲大社東京分祠公式サイト
拍手は「神さまを呼び出すため」という説以外に、「願い事を成就させるため」、また「神さまに感謝し喜びを表すため」とする説もあります。
願い事のあとで拍手をして「よろしくお願いします。有難うございます」という気持ちをこめましょう。
✔願い事がたくさんあったら!
「二拝四拍手一拝」の前、または後で祈願することもできます。
・初めに一拝して願い事を伝えてから「二拝四拍手一拝」するか、または「二拝四拍手一拝」してから願い事を伝えて、最後に一拝して終わる、という感じです。
出雲大社教の家庭でのお参りには
・「一拝・祈念・二拝・四拍手・一拝」から始まる正式なもの
・「二拝・四拍手・一拝・祈念・一拝」を中心とする簡易なもの
があります。*参考:家庭の祭り(出雲式)出雲大社佐久之宮講社
これは、出雲大社に参拝するときの作法ではありませんが、この参り方を取り入れると、祈願の時間を長くすることができますね。
また、ほかの参拝の方に迷惑にならないように、正面でなく少し左右によってお参りしましょう。
(3)拍手の仕方
初めに両手を合わせ、それから右手を左手の第一関節あたりまで下にずらしてそのまま4回拍手します。
*音を良くするためとか、左手が陽(霊)で右手が陰(体)なので神と不浄のものを合わせないためといった説があります。
5)摂社も大切に
最後に境内の6つの摂社(付属する小さな神社)にもお参りして神さまに敬意を表しましょう。出雲大社の祭神、大国主命にゆかりの神さまたちです。
本殿に真正面から参拝できる礼拝所もここにあります。
ちゃんとお参りする人は多くないので、神さまが喜ばれて良いご縁をくださるかもしれません!
↓西の十九社
本殿に向かって左側からスタート、ぐるっと回って拝殿前に戻ります。
拝殿と同じ二拝四拍手一拝です。*誰もちゃんとお参りしていなくて恥ずかしい時は、ていねいに心を込めて手を合わせて一礼しましょう。
もう願い事はせず、感謝とそれぞれの神さまの幸福をお祈りしてもいいですね。
摂社 | 神さま |
西の十九社 (じゅうくしゃ) | 出雲大社より西にいらっしゃる全国の八百萬神(やおよろずのかみ)さま |
南氏社・北氏社 (うじのやしろ) | 出雲氏の初代、出雲氏の先祖にあたる神さま |
参拝所 | 本殿のご神体に正面からお参りできる所。氏社の向かい側 |
素鵞社 (そがのやしろ) | 大国主命の父、須佐之男命(スサノオノミコト) |
釜社 (かまのやしろ) | スサノオノミコトの娘、宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)。豊作や商売繁盛の神さま |
東の十九社 | 出雲大社より東にいらっしゃる神さま。 |
正式なお参りはこれで終わりです。
お守りを買ったら、それぞれの鳥居で一礼して帰りましょう。
終わりに
作法に従うのは、おまじないのようで楽しいもの。
平安時代に陰陽師が災厄を避けるために様々な儀式(呪術、おまじない)を行ったように、参拝の作法も心身を清め神に近づき幸せをいただくための儀式。
ていねいにする価値がありそうですね。
いいご縁がありますように!
出雲といえば、おそば。割子に入って、縁結び蕎麦やおみくじのついたお蕎麦もあります。出雲大社近くで人気のそば屋ベスト4!おすすめのおいしい店