4月終わりからゴールデン・ウィークの頃には、もう夏ではないかと思うような暑い日があります。
挨拶文でも、もう「初夏の候」を使いたくなりますね。
受け取った相手に、違和感なく受け止めてもらえるのは、いつ頃でしょう?
ここでは、気温や日本人の体感から
・「初夏の候」を使う時期
・この時期の季語を使った挨拶文例
をご紹介します。
「初夏の候」の意味と時期
辞書や暦、季語、体感から
5月が「初夏の候」
1)辞書・暦・季語などから
広辞苑では
季語では
新暦では5月
旧暦では4月(卯月)
:2021年は新暦5月12日~6月9日
暦の上では
夏は、
立夏(5/5)から立秋(8/7)の前日まで。
暦は旧暦で、太陰太陽暦です。日付は月の満ち欠け(太陰暦)ですが、季節は太陽暦。そのまま現代のカレンダーどおりになります。
暦の上での季節(二十四節気)に、初夏という区分はありません。
2)日本人の体感では
アンケートや気温などから、体感としても、5月が初夏として受け入れられるようです。
―アンケートでは
5月を初夏と思う人が多い、というアンケートがあります。
母数が少ないので確実ではないのですが、気温ともマッチしているようです。
―気温で暑くなるのは?
気象庁の「夏日」の定義は、最高気温が25℃以上。
平年では、「夏日」は、東京では6月5日以降。でも実際には、5月に25℃以上の日は、東・西日本では、毎年ゴールデン・ウィーク頃から増えてきます。
…2020年5月は、東京で17日、名古屋で22日、大阪で20日でした。
プライベートでは半袖の人も増えてきますし、気温が25℃を超えると、汗も出るようになります。
5月は、気温も初夏。
Q7月初めが、初夏じゃない?
5月まで春、6月が梅雨、7月から夏と考えると、6月終わりから7月初めが初夏がふさわしい気がしますね。
でも、7月の気温をみてみると、
・7月下旬から、1年で一番暑い猛暑の時期になる
・7月初めは、平年で最高気温27℃(毎日が夏日)
7月初めから毎日夏日では、もう夏になってしまっていて、初夏というには遅すぎる感じです…。
初夏の頃の季語を使った挨拶文例
初夏の頃の季語
初夏 立夏 夏浅し 夏めく
薫風*(くんぷう) 迎え梅雨*
こどもの日 柏餅 こいのぼり 端午
母の日 カーネーション
初鰹 えんどう いちご 新馬鈴薯(新じゃが)
筍飯 豆飯 新茶
*薫風(くんぷう):若葉の香りを漂わせて吹く風
*迎え梅雨:梅雨の前5月下旬ころに梅雨のように雨が続くこと
季語を使った時候の挨拶
相手の方との親しさや心遣いの程度に応じて、形式的なものから柔らかい表現まで使い分けましょう。
はじめ:相手を気づかって
ビジネス
・初夏の候、貴社ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
・新緑の候、○○様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
親しい方、サークル、お世話になった方
・初夏の候、みなさま仕事に家庭に忙しい毎日をお送りのことと存じます。
・風薫る五月、いかがお過ごしでいらっしゃいますか。
・若葉が目にまぶしいこの頃、皆さまお変わりございませんか。
・今年も新茶が出回り始めました。○○様お元気でいらっしゃいますか。
結び:相手を気づかう
ビジネス
・末筆ながら貴社のますますのご発展をお祈り申し上げます。
・末筆ながらますますのご活躍をお祈り申し上げます。
親しい方、サークル、お世話になった方
・さわやかな五月、どうぞお健やかにお過ごしくださいませ。
・若葉が目にやさしいこの季節、ご家族で楽しい休日をお過ごしくださいませ。
・昼間は夏めいた暑さですが、朝晩はまだ冷え込むことがございます。どうぞご自愛下さいませ。
まとめ
「初夏の候」は5月。暦にも、季語にも、体感にもあっています。
夏の暑いイメージに比べると、初夏はさわやかなイメージ。
「初夏の候」を使った手紙や文書を受け取った方も、ちょっと気持ちが軽くなって、その後の本文を快く受け止めてくださると期待です。
ご用件が、スムーズに進みますように。