今年も終わり。おいしい年越しそばをいただきましょう。
年越しそばは「旧年の厄を断ち切って、新たな新年を迎える」縁起物。中に入れる具も縁起のいいものにしたいですね。
ここでは、縁起のいい年越しそばの具とその意味をご紹介します。
おいしく厄を断ち切って下さい。
年越しそばの具!
えび
エビは長寿、繁栄、夫婦円満などおめでたい縁起がたくさんあります。
その由来は?
1長寿・長生き
・・・エビは身体が曲がっています。腰の曲がったお年寄りのイメージですね。それに長いひげも生えています。そこで長寿、長生きの象徴とされます。
2活気・エネルギー、繁栄
・・・エビはゆでると殻が赤くなります。赤はおめでたく縁起のいい色。活気やエネルギー、繁栄を象徴しています。*海老天にするとしっぽだけが赤ですが^^
3めでたい
・・・エビは目が飛び出しています!そこで目出たい。
4夫婦円満
・・・ドウケツエビは夫婦で一生同じ穴(カイロウドウケツ)の中で暮らし死んでいくので偕老同穴(かいろうどうけつ:ともに同じ穴の中で老いていく)といわれ、夫婦円満の象徴に使われます。
「偕老同穴」の中に住むドウケツエビ!
ドウケツエビはとても変わったエビです。
幼生のうちにカイロウドウケツという海綿動物(カイメン)の中に入り込み、大きくなると海綿の穴から出られなくなって一生その中で暮らします。*海綿はスポンジのような網目状の生き物。
ドウケツエビはカイロウドウケツの食べ残しやプランクトンなどを食べています。
そしてこのエビは、いつも2匹、オスとメスなんです。
*ドウケツエビの幼生はまだオスになるかメスになるか決まっていない状態です。カイロウドウケツの体内に入ってからオスとメスに分化。
でも、2匹だけが入って育っていくって不思議ですね。やっぱり夫婦円満の縁起物にぴったりです!。
↓真ん中に2匹います。

出典:名古屋港水族館
*カイロウドウケツの名前は偕老同穴のことわざができてから名付けられました。相模湾、駿河湾などの深海1000mほどの海底に住んで(立って)います。
にしん(鰊)
にしんは数の子の親。にしんの卵が塩漬けにされて数の子になります。
そこで子宝に恵まれるとして縁起が良いとされています。
*身欠きにしんは内臓などの身が欠けています。昔は魚はいたみやすい内蔵を取り去って保存していたためです。
↓身欠きにしんは真ん中、横向き。
関西の年越しそばでは身欠きにしんを具にすることが多いです。特に京都では蕎麦といえば、にしんそば。
たまご
卵は黄色。黄金に通じる縁起のいい色です。
月見にしたり、卵焼きをスライスして入れてもおいしいです。
油揚げ
お稲荷さんの油揚げ。稲荷神は「豊作」「繁栄」「商売繁盛」の守り神です。
きつねはこの稲荷神の式神。お稲荷さんのために働きます。
このきつねの好物が油揚げ。
油揚げはお供えしてから食べるのが正式です。そこできつねそばは、食べる時にちょっとはしでささげるだけでも稲荷神に思いを伝えてくれるかも。
ネギ
一年の労をねぎらうという語呂合わせから。毎日食べてねぎらいたいですね。
カモ
カモのつがい(夫婦)はとても仲がいいので夫婦円満。
また「カモがネギを背負ってくる(しょってくる)」というのは、かもとねぎがいっぺんにそろってすぐに鴨鍋ができる、いいことが重なってやって来るという意味です。
・・・最近は詐欺とか悪徳商法の餌食になる時に使ったりしますが、もともとは幸運をさすんですよ。
ごぼう
私たちが食べるごぼうは根っこの部分。長いですよね。
土の中にしっかり深く根を張って生きる、安泰につながる縁起のいい食材です。
まとめ
年越しそばは、戸隠そば、出雲そば、更科そばなど麺とだしにこだわりたいですね。
具は、縁起の良いもののなかから、縁起にあやかりたい具材を選んでもいいですね。
よい年をお迎え下さい。