真夏日がふつうになり、熱帯夜もつづき、地域によっては最低気温が30℃を上回って観測史上最高を更新しています。
台風は、上空1万m~1万5千mまでの大気をかきまわしてくれますが、過ぎてしまえばまた猛暑の予想がでています。
いつになったら、過ごしやすくなっていくのでしょうか。
ここでは、2023年夏の暑さについて
〇これまでの暑さ
:猛暑日など
〇暑さはいつまで
:平年なら、気象庁の予報では
についてご紹介します。
今年の暑さ:これまで
春から暖かかった2023年。沖縄・奄美をのぞいて全国的に「かなり」高温でした。
1暖い春:東京で3月に夏日
ー春(3~5月)平年より高温:歴代1位
今年の春(3~5月)は、平年気温との偏差が+1.59℃と、1898年の統計開始以降でもっとも高くなりました。
3~5月 地域平均気温変化図
↓左から3月、4月、5月です。
北日本と東日本は、高温の山(赤)がつづいています。
特に3月は平年よりかなり高温で、気温の偏差は+2.75℃。
北日本と東日本は、歴代1位(1946年の統計開始以降)、西日本は歴代1位タイの高温でした。
関東甲信は、平年よりも3.6℃も高くなりました。東海は+3.2℃、近畿は+3.0℃でした。
大阪では3月22日に、東京では3月24日に「夏日」を記録してしまいました。
2)夏(6~8月)のこれまで
(1)平年気温より「高い」つづく
下の図の右2/3から6月・7月ですが、平年より気温が低い(青)時期がほとんどありません。
特に北日本は、ずっと高いまま。6月は平年より2.2℃高く、7月は2.8℃も高くなりました。
関東甲信・東海も平年より「かなり高い」、近畿は「高い」でした。
…関東甲信は、月の平均気温が6月+1.1℃、7月+2.2℃。東海は、6月+0.8℃、7月+1.7℃。近畿は6月+0.3℃、7月+1.3℃でした。
↓7月の平均気温の平年との差
とはいえ、関東甲信が近畿より暑いわけではありません。
*たとえば、大阪の7月の日最高気温の平均は31.8℃。東京は29.9℃ですから、かなりアバウトに足してしまえば、今年の大阪は33.1℃くらいで、東京の29.9℃よりも1℃高温でした。
やはり、大阪のほうがもともとも平年気温が高くて暑いのですが、東京は平年との差が特に大きいので「今年は暑い!」と思う日が多かったのではないでしょうか。
(2)夏日・真夏日・猛暑日の日数
-1夏日の日数
最高気温が25℃以上になる「夏日」は、7月からは30℃以上の「真夏日」や35℃以上の「猛暑日」にかわっていきます。
●夏日の日数 ~6月+7月+8月*8/12まで
東京 31日
:29日+2日+0日
名古屋 38日
:36日+2日+0日
大阪 40日
:39日+1日+0日
さすが大阪は、6月から暑くて夏日が多いですね。
-2真夏日の日数
最高気温が30℃以上になる「真夏日」は、6月は東京が多かったのですが、7月は大阪がいちばん多くなりました。
東京が大阪より暑くなかったというわけではなく、東京では、7月に猛暑日が多くなったためです。
●真夏日の日数 ~6月+7月+8月*8/12まで
東京 32日
:10日+16日+6日
名古屋 29日
:9日+18日+2日
大阪 30日
:7日+22日+1日
-3猛暑日の日数
6月に、最高気温が35℃以上になる「猛暑日」はありませんでした。
7月は東京で猛暑日が多かったのですが、8月上旬は大阪で猛暑日がつづいています。
●猛暑日の日数 ~7月+8月*8/12まで
東京 19日
:13日+6日
名古屋 21日
:11日+10日
大阪 19日
:8日+11日
-いちばん暑かった日
暑さには湿度が関係するので、体感温度がいちばん暑かった日とはいえませんが、シンプルに最高気温が最高だった日は…
日最高気温が最高だった日
東京 37.7℃(7/26)
名古屋 38.3℃(7/27)
大阪 38.4℃(8/5)
(3)熱帯夜の日数:夜の暑さ
平年では、最低気温が25℃以上になる「熱帯夜」は、名古屋で8/1から、大阪は7/19からです。*東京は平年値で最低気温が25℃以上になる日はありません。
今年は、東京・名古屋・大阪では6月に熱帯夜はありませんでした。
●熱帯夜の日数~7月+8月*8/12まで
東京 27日
:17日+10日
名古屋 26日
:15日+11日
大阪 29日
:17日+12日
-いちばん暑かった夜
最低気温は、たいてい早朝の気温です。
たとえば、8/4大阪の28.6℃は午前5時ころの気温なので「8/3の夜は寝苦しかった」という感覚になります。
日最低気温が最高だった日
東京 27.7℃(8/5)
名古屋 27.8℃(8/1)
大阪 28.6℃(8/4)
✔最低気温が、30℃を超え記録更新
新潟県糸魚川、鳥取県米子市、島根県松江市、愛媛県松山市などでは、最低気温が30℃を超える日があり、気象庁の「歴代全国ランキング」の「最低気温の高い方から」記録をぬりかえました。
2暑さはいつまで
1)秋の気配
:初秋の生物はいつから
(1)つくつくほうし
8月後半になると、多くのセミたちが鳴き声のピークを過ぎて、ツクツクオーシーと鳴く「つくつくほうし」の声が目立ってきます。
夏休みも終わりへ…。
(2)やまはぎの開花
「やまはぎ(萩、ハギ)」は秋の七草のひとつ。秋は、そーっと始まっています。
平年(1991~2020)では、東京で8/11、名古屋8/18、京都8/26、神戸 9/4。*大阪7/3、横浜7/22
(3)えんまこおろぎの初鳴き
エンマコオロギの初鳴きは、平年で、名古屋8/21、横浜9/6、岡山8/14。*東京や大阪では、気象台近くに生息しないため、観測されていません。
8月下旬ころには、夜に虫の声が聞こえ始めます。
2)平年なら:涼しくなる時期
-昼間、涼しくなるのは
8月、9月、10月の平年の最高気温を比べると、東京は9月初めに、名古屋・大阪も9月中旬には真夏日が終わります。
平年並みなら、猛暑も9月中旬まで、なのですが…。
東京は、9月1日は、まだ30℃以上の真夏日。でも、9月2日には 29.9℃になり、真夏日を脱します。
25℃を切って、夏日でなくなるのは、平年で9月29日です。
名古屋で、最高気温が30℃を切るのは9月12日。25℃を切って、夏日でなくなるのは、平年で10月8日です。
大阪では、最高気温が30℃を切るのが、9月15日。平年で25℃を切って、夏日でなくなるのは、平年で10月10日です。
3)気象庁の予報では
-1か月予報:「高い」
気象庁の1か月予報(8/18)では、ひきつづき9月半ばまで、全国的に平年より「高い」予想がでています。*沖縄・奄美は8/26~9/1だけ平年並み。
↓左から8/19~、8/26~、9/2~
北日本と東日本は、8/19~9/1まで「平年より高い」80%「平年並み」10%です。*西日本は「高い」70%「並み」20%。
地上の気温を決める上空1500mの気温も、北・東日本で高くなっています。
-エルニーニョ監視速報
気象庁のエルニーニョ監視速報(8/10)によると
「今後、冬にかけてエルニーニョ現象が続く可能性が高い(90%)。
とのこと。
エルニーニョでは、秋は西日本で低温、冬は東・西日本で暖冬になる傾向があります。
今年の夏はエルニーニョでも、西日本も平年より高温でした。秋も気温が下がらず、暖冬へとつづくかもしれません。
冬があまり寒くないのは、いいですね。ただ、スキーとか冬が稼ぎ時の業界は心配です。
まとめ
今年の夏はエルニーニョ現象が発生していますが、猛暑。
平年より高温がつづく予想ですが、9月に入るころには、それなりに秋の気配が。
お元気でお過ごしください。