「引用」の表記のしかた

著作権法では、例外的に、「著作権者等に許諾を得ることなく著作物が自由に使える―文化庁 著作権が自由に使える場合」場合が定められています。

これに従って、ブログに引用をしていくわけですが、意図なく著作権を侵害していないか、ちょっと心配です。

さて、引用の表記のしかたについては、定まった様式はありません。

一応、一般的と思われる表記を採用していきます。

本からの引用表記

著者 『書名』(出版社、発行年)、引用ページ。

引用のルール

文化庁の「文化庁の政策ー著作権」から「著作権が自由に使える場合ー(注5)引用における注意事項」を引用します。

(注5)引用における注意事項

 他人の著作物を自分の著作物の中に取り込む場合,すなわち引用を行う場合,一般的には,以下の事項に注意しなければなりません。

(1)他人の著作物を引用する必然性があること。
(2)かぎ括弧をつけるなど,自分の著作物と引用部分とが区別されていること。
(3)自分の著作物と引用する著作物との主従関係が明確であること(自分の著作物が主体)。
(4)出所の明示がなされていること。(第48条)(参照:最判昭和55年3月28日 「パロディー事件」)

引用の表記のしかた

上記の注意事項では、引用の表記について、具体的な様式を定めていません。

ネットでは、いろいろな機関や個人による表記の仕方を見ることができますが、どれに従えばいいのか…。

 

ただ、どの表記の方法も、

1)著作権法に違反しない

2)読者に引用元を明らかにする

というものになっているようです。

 

著作者の権利を守るだけでなく、読者が自らその出典に当たって考えることができるよう保証することにもなるんですね。

1)基本:引用部分を囲む

一般的には、原文をそのまま使用して、引用部分を「 」で囲みます。

ブログなら、全体を引用枠で囲むことで、その部分が引用だと伝えることができます。

  引用枠

2)出典の表記:本から引用するとき

上智大学大学院文学研究科新聞学専攻の学位論文の執筆ガイド「Ⅴ. 執筆上の注意 4.出典(引用文献)・「注」の書き方」によると、

1.基本的には、(イ)著者名、(ロ)書名(刊行物名・題名)、(ハ)(出版場所) 出版社名、(ニ)発行年、(ホ)引用ページ、の順に列記する。

とされています。

 

例としてあげられているのは、

a) 一般単行本の場合

例:磯部佑一郎『イギリス新聞史』(ジャパン・タイムズ社、昭和59年)、55ページ。

発行年は元号でもよく、またページ表記は、179頁、p179でもよいとのことです。

この様式は、シンプルで使いやすいですね。

 

3)資料、文献から引用するとき

上にあげた上智大学の「Ⅴ. 執筆上の注意 4.出典(引用文献)・「注」の書き方」では、論文の部分引用についても例をあげています。

 b) 雑誌掲載論文などの場合

例:高木教典「米国新聞界の繁栄とその条件」『新聞経営』第90号(1985年-Ⅰ)、46-47ページ。

 

日本の古い書物などからの引用は、どうでしょう。

礫川全次さんによると、

・・・「史料」の名称、史料が載っている文献名、史料が閲覧できる場所などは明示されていますか。

ー 礫川全次『独学で歴史家になる方法』(日本実業出版社 2018)、256ページ

とのこと。

どこにでもある資料とは限らないので、閲覧できる場所を書いておくのですね。

 

ネット上で閲覧できるときは、リンクをはって、

四辻 善成『河海抄』 第1-20 / 源惟良 撰 早稲田大学図書館「古典籍総合データベース」

という感じでしょうか。

 

まとめて引用表記する方法

たくさんの引用文献があるときには、章末や巻末にまとめて表記できます。

例)参考文献

礫川全次『独学で歴史家になる方法』(日本実業出版社 2018)
谷川健一『神・人間・動物ー伝承を生きる世界-』(講談社 1986)

テーマの決まったブログだと、引用文献のページを別に設けている方もいらっしゃいますね。

 

本の写真を入れる方法

本の表紙にも、著作権があります。表紙の写真を撮って、ブログにのせるわけにはいきません。

心動かされた本を紹介したいときは、どうしても表紙を載せたいですね。

アマゾンのアソシエイトプログラムや楽天のアフィリエイトプログラムなら、広告として、表紙を掲載することができます。

 

広告なので、ブログの運営者にほんの少しだけお金が入ることもありますが、著作権についての心配を、減らしてくれます。

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終わりに

引用は、なんだか、とても気を使います。何度もやってルールに慣れながら、もしクレームがあったらすぐに対処させていただきましょう。