寒かった冬も、やっと終わり。
2週間気温予報では、東京で26日から、名古屋・大阪も27日には、平年より気温が高くなる予想です。
その後3月に入っても、東京は「平年より高い」日があります。名古屋・大阪は「平年並み」の日が多い見込み。
3月は、気象庁の区分でも春。
東京で、2月には、1カ月かけて2℃位しか上がらなかった最高気温も、3月には1カ月で4.4℃も上がります。
いよいよ春が始まります。
ここでは、2022年冬(2021年12月~2022年2月)の寒さについて、
・これまでの寒さ
についてご紹介します。
寒さはいつまで
気象庁の1カ月予報(2/17)では、2月25日までは全国的に「平年より低い」。
その後、3月初めにかけて気温が上がり「平年より高い」に。
3月上旬には、北ほど平年より暖かい予想になっています。
2月の寒さ
2月19日~25日
北日本
:「平年並」確率50%
東日本・西日本
:「平年より低い」70%
暖かくなるのはいつ?
平年と違う、今年2月の寒さ
-1)平年なら、1月下旬が低温
平年でいちばん寒いのは、1月下旬です。
平均気温が一番低い時期(平年)
東京:1/21~22(平均5.1℃)
横浜:1/21~23( 〃 5.8℃)
名古屋:1/28~30( 〃 4.4℃)
大阪:1/24~2/3( 〃 5.8℃)
-2)2月:寒い!
寒いですね。
今年、東京の2月上旬・中旬の平均気温は、1月下旬より低くなりました。
2月中旬の平均気温は、1月中旬と同じでした。
東京の平均気温
1月 上旬 4.4℃(平年5.8℃)
〃 中旬 4.9℃(〃5.2℃)
〃 下旬 5.4℃(〃5.2℃)
2月上旬 4.6℃(平年5.5℃)
〃 中旬 4.9℃(〃6.2℃)
また、平年に比べると、今年の2月中旬の平均気温は、1.3℃も低くなっていました。
2月上旬の平均気温は、平年より0.9℃低くなっています。
日最高気温の平均は9.6℃で、平年の1月下旬と同じ。
暖冬だった昨年の2月上旬は、最高気温の平均は13.0℃。今年2022年は、昨年より3.4℃も低くなりました。
-3)日差しは、パワーアップ
2月いっぱいで平均気温は2℃上がる・・・気温としてはわずかな上昇ですが、感じる寒さが違います。
東京では、平年で、バレンタインデーを過ぎた2月16日には、クリスマス(12月25日)と同じ最高気温11℃になります。
気温は低いのですが、2月16日の全天日射量は、12月25日の1.36倍。
冬至のころに比べて太陽が高くまで上がるようになって、昼の時間も長くなり、太陽のエネルギーも地表までたくさん届いているんですね。
外に出て、日にあたれば、あたたかさを感じられます。
2月終わりには、暖かく
2月26日~3月4日
気象庁の1カ月予報(2/17)では、2月終わりから全国的に「平年より高い」予想。
久しぶりの、赤い予想図です。
北日本
:「高い」確率70%
東・西日本
:「高い」60%
この週の平年並の範囲は、東日本でー0.7~+0.9℃。西日本でー0.8~+0.1℃。
東京・名古屋・大阪は?
東京・名古屋・大阪の2週間気温予報(2/22)で、これまでの実際、これからの予想について、平年差を比べましょう。
-2月25日(金)26日(土)から:暖かい!
下の図の、まん中あたりが、2月25日。各都市の上の列が最高気温、下が最低気温です。
25日ころまで、東京・名古屋・大阪とも、「平年より低い(水色・青)が多く、寒さがつづきます。
最高気温(上の段)が「平年より高い(オレンジ)」になるのは、東京で25日(金)から、名古屋・大阪は、26日(土)から。
東京
名古屋
*青は、平年より「かなり低い」
大阪
右側1/3は、3月2日からの予想(5日間平均)です。
名古屋は、白「平年並み」ばかりですが、東京は、最高気温が「高い」日が多いです。
– 天気は、くもりがちかも
前の週が平年より低いので、26日(土)ころには、急にとても暖かく感じそうです。
ただ、太平洋側では「平年に比べ、晴れの日が少ない」見込み。
春は、雨やくもりも多くなります。
平年の降水量も、東京では、3月は2月の2倍になります。
3月5日~18日
1カ月予報(2/17)では、北ほど、平年より高温の予想です。
東日本「平年並か高い」
:平年より低い20%、平年並40%、高い40%
西日本「ほぼ平年並」
:平年より低い30%、平年並40%、高い30%
春の生物季節観測
うめ
ふつうの白梅(白加賀など)は、平年で1月終わりころから2月上旬にかけて、各地で開花を始めます。
うめの開花
福岡 1/23( 〃 8日早い)
東京 2/1( 〃 10日遅い)
名古屋2/8( 〃 11日遅い)
横浜2/14( 〃 13日遅い)
平年で、大阪は2月13日、京都は2月19日…遅れています。*神戸は2月7日に咲きました。
2月最後の週末に気温が上がるので、梅の名所も、いっせいに見頃へ?
さくら
沖縄 1月11日(平年より5日早い)
*沖縄では、ひかんざくらが生物季節観測の対象です。
気象各社では、今年のさくらの開花は、東日本は平年より「早い」と予想されています。
平年のさくらの開花日は、
東京:3/24
名古屋:3/24
大阪:3/27
2022年冬、これまでの寒さ
気象庁のエルニーニョ監視速報(2/10)では、ラニーニャは、冬の間は続き、春の間に終息する見込みということです。
ラニーニャの影響も3月ころまで?
1気温
12月は、前半は平年より気温が高かったのですが、下旬にぐっと冷え込みました。
1)冬日は何日?
最低気温が氷点下(0℃未満)になる冬日。
冬日 12月
東京:4日(昨冬は3日間)
横浜:1日間(昨冬は0日間)
名古屋:5日間(昨冬は1日間)
大阪:なし *最低気温の最低は12/27 0.7℃
東京で、12月に氷点下になったのは、2001年以降では6年目。うち5年については、冬にラニーニャ現象が発生していました。
冬日 1月
東京:9日間
横浜:3日間
名古屋:13日間
大阪:1日間
冬日 2月14日まで
東京:2日間
横浜:1日間
名古屋:2日間
大阪:0日間
-1月、東日本と近畿・四国は低温
1月は、全国的に平年より気温が低くなりました。
地図では全体に水玉ですが、もう少し詳しい地域平均気候表で地域ごとにみると、北日本と西日本の多くの地域は、「平年並み」。
関東甲信と北陸・東海、近畿は、平年差がー0.6℃、東北がー0.5℃。四国がー0.3℃で、これらが「平年より低い」地域でした。
2)いちばん寒かった日
気温が最低になるのは、早朝。日の出の前後が多くなります。通勤・通学のころで、冬はつらいですね。
最低気温の最低 ~2月14日まで
東京:1/7 ー3.5℃
横浜:1/7 ー1.5℃
名古屋:1/2 ー2.7℃
大阪:1/2 -0.1℃
3)低温だが、前々回のラニーニャほどでは?
ラニーニャが影響した2018年冬(2017年12月~2018年2月)は、全国的に寒く、特に西日本は32年ぶりの低温でした。
↓2017年10月~12月*右1/3が12月
今回は、まだ12月までしか発表されていませんが、この冬が低温になったのは12月後半から。前半は、平年より気温が高く、下旬の寒さが身にしみました。
↓2021年10月~12月*右1/3が12月
10月から比べても、前々回のラニーニャより、平年との気温差は小さいですね。
今のところ、前々回ほど寒くはありません。
*2021年から平年値が0.1~0.5℃上がりましたが、表の目盛りは1℃ごとなので、そのまま比較しています。
前回のラニーニャは、暖冬
前回のラニーニャは昨年ですが、1月中旬まで低温で、その後、平年より高くなり、冬の3カ月を平均すると暖冬になってしまいました。
でもこの冬は、暖冬にはならないようですね。
2雪
ラニーニャ現象が発生している冬には、大寒波がやってきて大雪が降ることも多いです。
初雪
初雪は、おおむね北で遅れ、東・西で早まりました。
*札幌・東京・名古屋・大阪の初雪は、気象庁職員の目視による観測。横浜は機械による自動観測(気温や湿度から)です。
初雪
札幌:11/19(平年より18日遅い)
東京:12/26(〃8日早い)
横浜:12/14(〃1日早い)
名古屋:12/17(〃5日早い)
大阪:1/1(〃6日遅い)
大阪は、今回は遅かったですね。元旦が初雪になりました!
雪の深さ
1日で、いちばん雪が積もっていたときの雪の深さが、最深積雪量です。*1日に降った雪の深さ(降雪量)ではありません。
最深積雪量の最高 ~1/24まで
札幌:96㎝ 1/22
東京:10cm 1/6
横浜:8㎝ 1/6
名古屋:1cm 1/13,14
大阪:なし(昨年は1/12に0㎝。*観測場所の地面の半分以上が雪におおわれた状態。積雪なしではありません)
*ラニーニャとは
ラニーニャは、地球規模で気圧が変動するテレ・コネクション(遠く離れた・結びつき)の一つ。
太平洋の東側の海水温が、西側の気圧や天候に影響を与えます。
ラニーニャでは、貿易風(東風)が強く吹いて、暖かい海水を太平洋の西側(アジア)に吹き寄せます。*東側の南米ペルー沖付近の海水温は、平年より下がります。
このため、フィリピン・インドネシア付近の海水温は高くなって上昇気流が発生。対流が活発になり、気圧が下がります。
フィリピン・インドネシア付近の気圧が低くなるので、夏には「太平洋高気圧」が日本に張り出し、冬には「シベリア高気圧」の勢力が強くなります。
ラニーニャは、日本では、夏をより暑く、冬をより寒くする傾向にあります。
エルニーニョと交代で起こることが多いですが、続けて起こることもあります。
冬(12~2月)にラニーニャだったのは、2001年以降では、この冬で8回目です。
ラニーニャの冬の特徴
冬の12~2月で、ラニーニャの影響が有意にみられるのは、
12月を中心とする11~1月
:平均気温~東日本 平年より有意に低い
:降水量~東日本太平洋側、西日本太平洋側 平年より有意に少ない
:日照時間~北日本太平洋側、西日本 平年より有意に多い
:日照時間~北日本の太平洋側 平年より有意に多い
:降水量~北日本太平洋側、東日本太平洋側、沖縄・奄美 有意に多い
気温・日照時間・降水量ともに、どこかの地域で平年との有意差が出るのは12月を中心とする11~1月だけです。
特にラニーニャの影響が出やすいのは、冬の前半というところでしょうか。
冬の寒さには、別のテレ・コネクションである北極振動も影響します。
さらに、太平洋側に大雪をもたらす南岸低気圧もあって、冬の長期的な予報は難しいとされています。
終わりに
ラニーニャの冬には、平年より気温が低くなったり、降雪量が多くなったりします。
2月は、25日頃まで平年より気温は低く、その後平年より高い予想です。
冬もあともうしばらく!お元気でお過ごしください。