『猫のいる家に帰りたい』は、猫歌人、仁尾 智(にお さとる)さんによる、ねこをめぐる短歌集です。
短歌の紹介
猫が来る
ほめてほめてという顔で
何か不穏なものをくわえて
うちの猫さんも、こうもりを捕まえました。・・・こうもりという生き物に、初めて見てさわって、怖かったです。
おしっこに行きたい僕の 膀胱の辺りで
猫がふみふみをする
わかります。動きたい、でもせっかくのふみふみが嬉しくて、じっと我慢する…。
想像すると、ちょっと笑ってしまいますが、とってもわかりますね。
おすすめ
イラストは、小泉さよさん。
やさしいタッチで、ほんのちょっとした猫の表情をとらえて、とても親しみやすい絵です。
歌には、作者の仁尾さんのエッセイが添えられています。猫を大切に思う気持ちが伝わって、読みながらほっとします。
誕生日すらわからない猫なので
命日くらい見届けるのだ
作者の仁尾智さんが、迷い込んできた病気の猫の世話を始められたときの歌です。
猫を飼っている誰もが、覚悟する最後の日。
そろそろ高齢のうちのねこさんも、仁尾さんのように見届けてあげられますように。