夏の食中毒を予防する!細菌と毒素を防ぐ3つのルールを具体的に

6月から9月は食中毒のシーズン。

夏の食中毒を防ぐ基本の対策をおさらいしましょう。

 

夏の食中毒ってどんなもの

子供がちょっと下痢をした時。

原因が思い当たらず「お腹を出して寝てたんじゃない?」「冷たいものの飲み過ぎよ」しか思いつかないことも。

実は、その多くが軽い食中毒だった可能性があります。

 

時期と条件

夏の食中毒は6月から9月細菌とその毒素によっておこります。

細菌は暖かくて湿めった所が好き。特に30℃~37℃位でどんどん繁殖します。

 

*学校は暑い

・・・東北・北海道をのぞき、日本の7月の最高気温は平均で29度を超えます。

公立中学校の全てが冷房完備なのは東京都だけ。全国的にまだまだ冷房のない学校が多く子供の夏の弁当は危険にさらされています。

 

主な菌と特徴

細菌性食中毒(夏の食中毒)の60%以上がカンピロバクターによるものです。少しの菌でも発症します。

カンピロバクター・肉(特に鶏肉)
・少しの菌でも発症
・潜伏期間:1日~1週間と長い
黄色ブドウ球菌・肉・卵・乳製品、おにぎり
・もともと人も持っている菌・殺菌はできるが、菌が作った毒素はいくら熱しても消せない
→この毒素が食中毒を引き起こす
・潜伏期間:1~3時間。
サルモネラ菌・卵や肉(特に鶏肉)
・潜伏期間:6時間~3日。
激しい下痢や腹痛を起こします。

 

 

予防の3つのルールを具体的に

厚生省がすすめる予防法は

  • つけない
  • ふやさない
  • やっつける

細菌は熱や漂白剤で殺すことができます。

でも、細菌が作り出した毒素は熱でも消すことはできません。つけない・ふやさないが基本ですね。

 

1)つけないために

-1ハンドソープで手を洗う

調理の前、肉・魚を調理したあとは必ず手をきれいに洗いましょう。

ハンドソープをつけて30秒位手をこすりその後水洗い。その後で作った料理につく細菌を検出限度以下になるまで減らすことができます。

 

うっかり水道の蛇口に

ついうっかりそのまま触ってしまいがち。細菌がついて繁殖してしまいます。

  • ハンドルで上げ下げできるなら腕で
  • ふつうの蛇口なら、先にハンドソープをつけて手をこすってから蛇口をひねりましょう。

 

-2肉・魚は最後に調理

肉や魚や汁から細菌が移らないようにしましょう。

●肉・魚は直前まで冷蔵庫に入れておく

●肉・魚専用のまな板を用意、またはしっかり殺菌

●サラダなど生野菜を盛りつけした皿は近くに置かない

*表が肉・魚、裏がその他になったまな板も、やはり殺菌しないと調理する台から反対側に細菌が移ってしまいます。

 

2)増やさないために

冷蔵庫に入れたら大丈夫

細菌は10℃以下になるとぐっと活性が低下。5℃以下だとほとんどの菌は繁殖しません。

冷蔵庫の冷蔵室が3~6℃。チルド室は0~2℃。冷蔵庫に入れておけば細菌の繁殖は防げます。

 

買い物の時

スーパーの気温は常温。

肉や魚をかごに入れたまま買い物をしていると、常温保存することになってしまいます。

●肉・魚は最後に買い物かごに入れる

●保冷バッグに入れて持ち帰る

●保冷剤を入れる

などの工夫をしましょう。

 

料理する時

夏のキッチンは高温。肉・魚は調理直前に冷蔵庫から出しましょう。

お弁当

ごはんとおかずはしっかり熱を通してから、ひんやり冷やして保冷剤も入れましょう。

▶参考:お弁当のごはんとおかず、簡単に早く冷ます方法!冷えた目安は?

▶参考:【夏のお弁当】食中毒を予防する食べ物とレシピ!その食材は気休めかも!

 

3)やっつけるを具体的に

-1加熱の目安

65℃でほとんどの細菌は死にます。

厚生省は食べ物の中心が75℃以上の状態で1分間加熱することをすすめています。

 

■75℃以上1分の目安■
  • 煮物:煮汁が沸騰してから5分
  • 炒め物:肉を先に炒めて色が変わってから野菜などを入れるとOK
  • 揚げ物:泡が小さくなって浮かんで来てから、はしではさんでジジッという感じが伝わればOK。

出典:東京都福祉保健局

 

✔危ないのは中途半端な加熱

もし唐揚げに十分火が通っていないところがあったら、そこはちょうどいい温度になって細菌がぐんぐん繁殖します。

作り置きのおかずも、あたためてお弁当に入れるならしっかり加熱しましょう。

ー2殺菌の目安

■まな板■

軽く洗っただけでは、12時間で雑菌が5万倍になったという実験もあります。

樹脂のまな板

塩素系の漂白剤で殺菌。フキンをかぶせて漂白剤をかけ5分ほど放置。水洗いして乾かします。

木製のまな板

クレンザーをつけタワシでまな板の傷の中の汚れや菌を落とします。それからやかん一杯くらいの熱湯をかけ流し、よく乾かしましょう。

 

■包丁・スポンジ・弁当箱■

漂白剤を入れた水に5分ほどつけます。

・・・スポンジは洗剤をつけているから細菌は繁殖しないはず?ところがスポンジは雑菌の宝庫。しっかり殺菌しましょう。

 

■水回り・調理台■
  • 熱湯をかける
  • 泡ハイターなどをまいて5分位置く
  • フキンをしぼり酢を5・6滴たらしてふく

 

アルコール除菌スプレーの注意

水気があると除菌できません。

アルコールが除菌できる濃度は決まっていて、ぬれたところにスプレーするとアルコールの濃度が下がり(薄まって)、除菌できなくなります。

 

後記

食中毒は完全には防げません。

時には家族がちょっとお腹をこわすこともありますね。家庭に常備している薬を飲んで治るなら大丈夫。

ただ小さい子は、下痢で体力を消耗しやすく、また症状もひどくなりがちです。子供が小さい間はしっかり食中毒対策をしましょう。