2022年、9月8日は白露。「はくろ」と読みます。
「しらつゆ」と読むと、艦これだったり、調味料の白だしだったり、焼酎だったり…和歌や季語でも使われています。
でも「はくろ」は、暦の上での季節、秋の一つです。
ここでは、季節の白露について
・「白露の候」はいつまで
・食べものや行事
をご紹介します。
意味と由来
白露の意味
『暦便覧』によると
「陰気やうやく重りて、露にごりて白色となれば也」
「陰気が重くなって、露(つゆ)がにごる」って、なんだか、おみくじの大凶に書いてある和歌みたいですね。
でもこれは
大気が冷えてきて、露ができ始めるころ
という意味。
陰気は、陽気の反対で、冷たい空気のことなんですね。だんだん秋らしい気候になってくる感じです。
*白露の「白」は、露が日に当たって輝くようすを、強調することばです。
露(つゆ)の季節
露が降りるのは夏の終わりから秋のはじめ。
夏が終わるころには、日も短くなって日射量が減り地面が冷えてきます。
すると、地面に接している空気も冷えて、空中の水蒸気が水滴になって葉っぱなどにくっつき露になります。
白露の由来
白露は、中国伝来の季節の区分「二十四節気(にじゅうしせっき)」による秋の季節の一つ。
立秋に始まり立冬の前日に終わる暦の上での秋は、秋分のころがまん中。
2022年は
立秋 8/7
→処暑 8/23
→白露 9/8
→秋分 9/23
→寒露 10/8
→霜降 10/23
立冬 11/7
の順番です。
白露のころは、まだ暑いですが、秋分の日の頃になると、残暑もおさまります。
*二十四節気は太陽の高さに応じて1年を24の季節に分けたもので、日本の旧暦の暦にも書かれていました。旧暦は太陰太陽暦。二十四節気は太陽暦の部分なので、旧暦におきかえて考え直す必要はありません。
食べものや行事・季語
白露の食べ物や風習は特になく、行事もありません。
・・・あと10日もすれば、大きな行事「お彼岸(秋分)」が始まります。
また、ほとんどの日本人が農民だった昔は、この時期は稲作の台風への備え(二百二十日)などで忙しかったからでしょうか。
俳句では、白露は、秋の季語。
俳句や和歌には、季節の「はくろ」ではなく「しらつゆ」をうたったものがたくさんあります。
百人一首から
つらぬきとめぬ 玉ぞ 散りける
-文屋朝康
「露に風が吹きつけてきらきら散っている秋の野原は、真珠の(首飾りの?)糸が切れて、真珠の玉が舞い散っているように美しい」といった感じでしょうか。
「白露の候」はいつまで
最初の日だけを白露ということが多いですが、白露の日から次の秋分の前の日まで15日間ほどを白露とよぶこともあります。
「白露の候」はこの期間につかいます。
白露の期間:「白露の候」
「白露」の日から、次の季節の区分「秋分」9/23の前日まで
期間
9月8日~22日まで
白露の3候
二十四節気をさらに72の季節に分けた七十二候では、白露は次の三候からなっています。
手紙や文書で「白露の候」は、この三候の全期間にわたって使うことができます。
: 草に降りた露が白く光る
:セキレイが鳴き始める
https://www.youtube.com/watch?v=vNZGk0-fgyA
市街地でもよくみられるハクセキレイは、春から夏によく鳴きます。尾っぽを、上下に上げ下げして歩きます。
: 燕が南へ帰って行く
ツバメが南へ帰っていく。寒い季節を予感させられて、ちょっとさびしいです。
来年、また日本に渡ってくるのは、3月下旬から4月上旬。
終わりに
白露のころは、バス停や、街路樹の下にちょっと生えた雑草にも、露がおちているかもしれません。
残暑はまだ続きますが、朝早くはもう秋になっています。
お元気でお過ごしください。