7月23日は暦の上では「大暑」。大暑というくらいですから、最高に暑い時期に入ります。
「大暑の日」は一番暑い日ではありませんが、これから8月に向けてぐんぐん暑くなっていきます。
そして「大暑の候」の終盤、8月上旬が日本の暑さの最盛期です。
ここでは、大暑について
・大暑の意味と由来
・「大暑の候」はいつまで
・日本の暑さのピークはいつ?
・食べものや行事
をご紹介します。
意味と由来
大暑の意味
『暦便覧』によると、大暑というのは
「暑気いたりつまりたるゆえんなればなり」
暑さが、至り、詰まるから大暑と呼ぶということです。*詰まる:行きつく。どん詰まり?
大暑のころは、梅雨も開け、毎日が晴れ。気温もどんどん上がっていきますね。
「暦」の上での大暑と、私たちの季節の「実感」はぴったり合っているようです。
大暑の由来
大暑は、中国伝来の季節の区分「二十四節気(にじゅうしせっき)」による夏の季節の一つです。
*二十四節気は太陽の高さに応じて1年を24の季節に分けたもの。
*二十四節気は旧暦(太陰太陽暦)の太陽暦の部分です。旧暦におきかえても、大暑は今日と同じ日です。2022年大暑は、旧暦6月25日(新暦7月23日は)。
「大暑の候」はいつまで?
テレビなどでは、大暑の日だけを「大暑」ということが多いです。
でも、大暑は立秋の前の日までの期間をさすこともあるので「大暑の候」は、その間使うことができます。
大暑の日にち
2022年は、
日にち
7月23日
*毎年7月22日か23日です。
大暑の期間
「大暑の候」は、大暑の日から、次の季節の区分「立秋」の前の日まで使うことができます。
期間
7月23日~8月6日まで
*立秋:2022年は8月7日
大暑の3候
二十四節気をさらに72の季節に分けた七十二候では、大暑は次の三候に分かれます。
桐始結花(きり はじめて はなをむすぶ)
: 桐の実が生り始める
↓桐の花
土潤溽暑(つち うるおいて あつし)
: 土が湿って蒸暑くなる
6月から8月は気温が高いだけでなく、一年で一番湿度が高い時期でもあります。*9月の湿度も同様に高いです。
大雨時行(たいう ときに ゆく)
: 時として大雨が降る
この時期が、東京などでは一番暑い時期にあたります。
時として、台風や集中豪雨があることも。
暑さのピークはいつ?
大暑の日の暑さ
大暑の日7月23日の東京の平年の最高気温は30.6℃。最低気温は23.1℃です。
これからまだまだ暑くなりますね。
暦の上の季節(二十四節気)では、大暑の次は立秋です。
大きく暑い「大暑」の直後に、いきなり秋がやってきます。
これは、立秋は「暑さが極まって秋の気配が出始める時期」だから。
大暑に続いて、立秋を過ぎたころ(8月9、10日)まで、夏の暑さは極まっていきます。
日本が一番暑い時期
暑さのピーク、日本が一番暑いのはいつ頃なんでしょう。
東京が一番暑いのは、平年で8月3日~9日までです。*名古屋は8月6日~9日、大阪は8月4日~10日。
「大暑の候」の最後の5日間ほどと「立秋」の日から3日間ほどにあたります。
東京の8月上旬の最高気温
8月1、2日 31.7℃
8月3日~9日 31.8℃
8月10日 31.7℃
最高気温が、大暑の日7月23日と同じ30.6℃くらいに下がるのは8月終わり。
秋は遠いですね。
7月18日から9月1日まで、東京は平年で毎日真夏日です。
食べものや風習
大暑の食べもの
7月20日ころの「土用の丑の日」にはウナギを食べたりしますね。
でも大暑の食べ物は、特にありません。
ただ、昔は夏には食べ物が傷んでばい菌が繁殖したりして、病気になることも多かったので、控えるべき食べ合わせというものはありました。
食べ合わせの禁
+
江戸時代の食べ合わせの禁
・ウナギと梅干:現代ではおすすめ
・天ぷらとスイカ:現代でも通用
・蕎麦とナスの漬物:関係なさそう
ウナギと梅干は、現代では互いに消化を助けるとされます。
天ぷらとスイカは、水と油で消化に悪いので、現代でも避けた方がよいとされています。
+
現代の食べ合わせの禁
スイカとビール
:どちらも利尿作用があるので知らぬ間に脱水になってしまい、さらにビールを飲みたくなって、急性アルコール中毒になる危険もあります。
暑いですが、ビールかスイカ、どちらか一方にしておきましょう。
大暑の行事
大暑の風習は特になく、大暑にちなんだ祭りというものもありません。
行事としては、大暑の頃からは花火大会のシーズンです。
花火は、もともとは飢饉やコレラの流行で亡くなった人たちの霊を慰め、悪霊退散の願いをこめて打ち上げられたもの。
「享保の飢饉(1732年)」のあと、江戸の両国で、打ち上げられたのが始まりです。
コロナのような大きな伝染病の流行がある今こそ、疫病退散の花火をたくさん打ち上げて、スカッと収束させられたら…。
俳句の季語として
暑さをしのぐ、忍ぶ俳句が多いようです。
動物も暑い!
兎も片耳垂るる大暑かな
-芥川龍之介
うさぎや猫や犬、動物園のリスやシロクマたちも、みんな、夏はこんな感じですね。
季語としては、このほかに「酷暑」や「炎暑」も使われます。
暑中見舞いはお早めに
暑中見舞いは、小暑から大暑の期間に出します。
そこで8月6日までが「暑中見舞い」、立秋の7日からは「残暑見舞い」です。
終わりに
大暑のころからが、日本が一番暑い時期。真夏の猛暑がつづきます。
次の立秋(8/7)まであと2週間ほど。立秋をすぎると、気温はすこ~しずつ下がり始めます。
もうしばらく、お元気でお過ごしください。