シニアになってもできるだけ元気で活発でいたいです。見た目も若々しくありたいですね。
老化を進めるのはフリーラジカル(活性酸素)。
老け顔はもちろん、ガンなど生活習慣病の発病にも大きな影響を与えます。
ここでは、このにっくきフリーラジカルを中和してくれる抗酸化作用のある食べ物やサプリについてご紹介します。
抗酸化作用とは:おさらい
1)フリーラジカル(活性酸素)が攻撃中
わたしたちが生きるためにする、息をする、食事でとった栄養素を取り入れるといった過程で発生するのがフリーラジカル(活性酸素)。
いつも体の中で生まれていて、DNAの遺伝子を傷つけたり細胞膜を損傷したりします。
このフリーラジカルが与えるダメージが蓄積して、老化や生活習慣病などを進行させてしまうんです。
2)戦う抗酸化物質
抗酸化作用を持つ物質(ビタミンCやポリフェノールなど)は、この常時攻撃中のフリーラジカルを中和して、細胞が受けたダメージを修復してくれます。
・・・具体的には、抗酸化物質はフリーラジカルに自分の電子を一つあげて、フリーラジカルを中和。こんどは自分がフリーラジカルになってしまいますが、害のないフリーラジカルですぐに分解されます。
さらに、そのあとほかの抗酸化物質から電子を一つわけてもらってまた抗酸化物質として働くこともあります。頼りになる戦闘員ですね。
3)30代にはフリーラジカルが優勢に?
悲しいのは、
・年をとるにつれて、フリーラジカルはたくさん発生する
・体内で作られる抗酸化物質は、24~25歳をピークに減り始める
ということ。
中高年にはダブルパンチです。30代に入ったらもう抗酸化について意識していったほうがよさそうです。
野菜と果物で抗酸化
抗酸化作用のある物質
ビタミン
・ビタミンC
・ビタミンE
ミネラル
・亜鉛
・セレン
ファイトケミカル
・ポリフェノール(アントシアニン、イソフラボン、カテキンなど)
・カロテノイド(βカロテン、リコピンなど)
・イオウ化合物(スルフォラファンなど)
単独では今一つ!協力してこそ効果的
でも、リコピンのサプリだけとか、ビタミンEのサプリだけとるよりも、野菜そのもの果物そのものをとった方が、抗酸化作用は高まります。
それは、抗酸化物質はお互いに反応しあって、相乗効果を発揮するから。
単体でとるより、一つの野菜、果物としてとるほうが、ずっと体にいいんです。
何をどれくらいの量、食べたらいい?
抗酸化力を測る方法はいくつかありますが、確定されていません。
アメリカ農務省がORAC(ブルーベリー100gで2234など)という基準をすすめていたことがありますが、人間の健康と直接関係しないとして撤回してしまいまいした。
たたべ物の栄養はまだまだ研究途上のようです。
ORACの値 に従っていれば安心感があったのですが。
1)野菜350g果物200g
厚生労働省が『健康日本21』で提唱しているのは
・野菜350g以上
そしてカルシウム摂取のために、350gのうち
・緑黄色野菜は120g以上
としています。
くだものについては『食生活指針』には「たっぷりの野菜と毎日の果物でビタミン、ミネラル、食物繊維をとりましょう」と明記されていま
具体的な量を提言しているのは果物のある食生活推進全国協議会。
・くだもの:200g以上
具体的にどれくらい?
ただ、毎回、野菜や果物の重さをはかって食べるわけではありませんね。それに生で測るの?煮てから?
誰にでもわかりやすい目安、実生活で使える目安は次の3つ。
目安1)5サービングとる
1サービングは
・葉野菜:生を刻んで1カップ
・ほかの野菜は生を刻んで1/2カップ
・果物は2~4カップ(リンゴ・バナナは中くらいの大きさのもの1個)
アメリカ農務省が定めた基準です。料理をするときにはとても簡単でわかりやすいですよ。
目安2
・それぞれの野菜・果物ごとに大体の重さを知っておく
これは一般社団法人ファイブ・ア・デイ協会のサイトをご参考に。70gの大体の目安が写真付きで紹介されています。
70gってトマト半分くらいなんですよ。みかんが二つです。
目安3
・小鉢・小皿に一盛りを1皿と考える
・野菜炒めなどは2さらに該当
いちばん簡単で分かりやすいです。これくらい大まかな方が毎日、チェックしやすいですよね。
こちらもファイブ・ア・デイ協会のサイトをご参考に。
煮ても焼いてもOK?
鮮度が落ちた野菜よりは冷凍の野菜の方が栄養をキープしています。
野菜や果物は、新鮮なものか新鮮なまま冷凍したものを食べましょう。
スーパーの野菜は、特に朝採りと表示されていなければ、早くて前の日に収穫したものです。買い物して冷蔵庫にいれ2・3日置くと栄養はかなり失われてしまいます。
また、ポリフェノールは、細胞膜や細胞の中に含まれています。ふつうに料理しただけでは、わたしたちの体は吸収できません。煮混んだらスープの中に溶けだしてきて、人にも吸収できるようになります。
だから、生野菜のサラダを食べなければならないわけではありません。
ただ、新鮮な野菜を食べるようにして、量が多い時は新鮮なうちに調理して冷凍しておきましょう。
効果が出るのは5~10日後
若い人なら、この5皿(350g)で5~6日、60歳以上でも10~11日で血液中の抗酸化作用が明らかに上昇。
特に野菜・果物の足りていない若い人は、日々の活力もお肌の調子もアップするかもしれませんね。
一方、60歳以上の世代は、若い人に比べ吸収力が低下しています。
もし食べられるなら、5皿以上の野菜・果物をとれたらいいですね。
たくさんはたべられないなら、ジュースやサプリを追加でとったり、特に抗酸化作用が大きいとされる野菜や果物を中心にとりましょう。
特に抗酸化作用が高いとされる食べ物
ほうれんそう
300g(7株ほど)でビタミンC1250mgとほぼ同じ抗酸化能です。
いちご・ブルーベリー
いちご2カップ半、ブルーベリー半カップ
*マウスの実験では、この量で記憶力低下を防いでいます。ブルーベリーは運動機能の低下も防ぎました。細い平均台でバランスをとりながら進むという実験でした。人にも効くといいですよね!
トマトピューレ
加熱した方が人体によく吸収されるトマトのリコピン。トマトピューレを30g(大さじ2杯)くらい料理に足すだけで血液の抗酸化能が高まります。
参照:『奇跡の脳をつくる食事とサプリメント 上 (ハルキ文庫 カ 1-5)・下』
2)お茶を飲む
緑茶・ウーロン茶はカテキンを含み、血中の抗酸化能を高めます。
濃く入れて1日に3~5杯。
また、カフェインの作用で知覚反応もアップします。
3)適度なお酒、チョコレート
チョコレートもポリフェノールが豊富。カテキンが含まれているんですね。
お酒は、有害にもなりうるのでわざわざ飲む必要はありません。
赤ワインはアントシアニンが豊富なので、週に4杯程度なら害はなく抗酸化作用が期待できるようです。
サプリ・ジュース・青汁もプラス
サプリ
抗酸化作用をもつ物質のうちビタミンCやビタミンE は、体内で互いに助け合ってフリーラジカルと戦います。
ビタミンC
ビタミンCは、市販のオレンジジュースなどから簡単にとることができます。ただ、果物のジュースは血糖値が急上昇するので、そこが難点ですね。
お金に余裕があれば、高濃度ビタミンCを血管から点滴などでとりいれることができます。一番効果が高いですが、費用も高いです(1回12.5gで7560円など)。
サプリが効率的です。
ビタミンE
ビタミンEは、400~500IU(300mg前後)とることが望ましいとされますが、これはウナギのかば焼きならおよそ40切れ分。
サプリでとりましょう。
そのほかのサプリ
ほかにアントシアニンや、セサミン、カプサイシンなど、抗酸化作用のある物質ごとのサプリがあります。
でも、ポリフェノールなどは、単独ではなくほかのものと一緒になるとさらに効果があがるものでしたね。
サプリは、目が疲れているからブルーベリーのアントシアニン、などと特別な目的があるときに使いましょう。
何より毎日たくさんのサプリを飲むのは結構大変です。
野菜・くだものをとりつつ、マルチビタミンとビタミンCとEで補強する考え方でもいいのではないでしょうか。
野菜ジュース・青汁
市販(通販)の野菜ジュースも青汁も、熱を加えて濃縮したり乾燥させたり、フリースドライさせたりしています。
でもファイトケミカルは熱や冷凍でそこなわれませんし、抗酸化作用を増すことさえあります。
また、ビタミンCや食物繊維をあらためて添加したジュースもあります。
働いていると新鮮な野菜を調理できるとは限りませんし、アラカンをすぎると買い物の野菜がだんだん重く感じられます。
野菜ジュースや青汁をプラスして抗酸化作用を強めましょう。ネットでの通販なら、まとめて安く購入できますね。
野菜ジュースはほんとうにたくさんあるので、いろいろ試してみましょう。青汁もお好きな方はぜひ。
終わりに
農林水産省の調査によると、大人でいちばん野菜をたべているのは60代。いちばん食べていないのが20代です。
健康意識の違いからでしょうか。それとも、体が欲しているのかも?
シニアになったら、野菜や果物の抗酸化作用が、それまでよりずっと必要になります。できるだけ、野菜や果物をおいしく食べて、サプリやジュースなどで補強していきましょう。
ただ、長生きした人たちを見ると、食生活はいろいろです。
玄米ご飯と新鮮な即席漬けに味噌汁だけという人から、できるだけいろいろな種類を食べるという人まで。
超小食の人もいます。また、サプリをとっているとは限りません。
あまり神経質に考えずに、毎日果物一つ、野菜が入った料理を5皿分食べる。
毎日ジュースか青汁を飲んで、ビタミンC、Eのサプリをとる、とシンプルに決めてしまってもいですね。
予算がない月はもっとシンプルに、毎日お茶を3~5杯飲むことにしましょう!